米Microsoftが韓Samsungに対し、特許ライセンス料を支払っていないとして提訴した。これは、Microsoftの法務担当副顧問が8月1日に明かしたもので、Microsoftが2013年にSamsungと競合するNokiaのデバイス事業部を買収した後に、Samsung側は既存の特許ライセンス合意が無効になったと考えているようだ。

2社はモバイル分野で2011年秋に特許クロスライセンス合意を締結した。合意の詳細は明かされていないが、SamsungはAndroidスマートフォンやタブレットの販売に対し、Microsoftに特許使用料(ライセンス料金)を支払うことになっている。2社は2013年11月、特許ライセンス合意を2018年まで延長することで合意している。

Microsoftは8月1日、米ニューヨーク州南部連邦地方裁判所に訴状を提出した。ここで、同社はSamsungに合意に基づくライセンス料の支払いと滞納分の利息支払いを求めている。

同社の法務担当副顧問のDavid Howard氏は、2013年9月にNokiaデバイス事業の買収を発表した後、Samsungは「この買収を口実に契約を履行していない」と主張している。「SamsungはNokia買収により特許ライセンス契約が無効になるかどうかを法的機関に確認していない。おそらく自社の立場が弱くなることを知っているからだろう」とHoward氏は続けている。

MicrosoftはSamsung以外にも、HTC、LGなどの主要なAndroidデバイスメーカーと同様の特許クロスライセンス契約を結んでおり、Androidが売れると自社が収益を得られる仕組みを構築している。一方で、自社のモバイルOS「Windows Phone」は実質無償にするなど、OEMがWindows Phoneを採用するよう奨励策をとっている。

Samsungは、「ATIV」ブランドでWindows Phoneスマートフォン、タブレット、ノートPCなどMicrosoftのOSを採用した機種を展開している。

David Howard氏はMicrosoftのブログでSamsung提訴に関する記事を投稿している