ICT総研は7月4日、2014年度ブロードバンドサービスの東西エリア別市場動向に関する調査結果を発表した。
同調査は電気通信事業者、関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー1万2,000人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したもの。
ブロードバンドサービスの総契約件数は、2014年3月末時点で4,335万件、全国世帯数比の普及率は77.5%だった。光回線サービスなどの固定系回線の普及は伸び悩んでいるが、WiMAXなどの無線アクセス回線の増加により世帯普及は進んでいる結果が出た。
4,335万件のブロードバンドサービスのうち、光回線は2,537万件で59%を占め、2013年度の1年間における光回線純増数は152万件となり、純増数は前年並みにとどまった。ADSL回線は減少傾向が続いており、447万件でブロードバンドサービス全体の10%以下に落ち込んでいる。
CATVインターネットは605万件とほぼ横ばいを維持し、WiMAXなどのブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)は745万件で増加を続け、2014年度末(2015年3月末)には、ブロードバンドサービス全体で4,592万件となる見通しで、そのうち光回線は2,680万件になると予測されている。
同社が2014年4月に実施したアンケート調査で、光回線サービスの利用者による顧客満足度を分析したところ、東日本エリアのユーザーで最も満足度の高かったサービスはKDDIの「auひかり」だった。
この調査は、「サービス品質」「料金」「サポート」の3つの項目を平均化した総合満足度を集計したもので、auひかりが64.4ポイントで1位、NTTの「フレッツ光」が62.1ポイントで2位、ソフトバンクBBの「Yahoo!BB光」が58.7ポイントで3位だった。KDDIのauひかりは、サービス品質や料金に対する満足度が他社と比べて高いことが1位獲得の主な要因だという。
西日本エリアでは、ケイ・オプティコムの「eo光」の顧客満足度が67.4ポイントでトップとなり、これに「auひかり」(64.4ポイント)、僅差の「フレッツ光」(64.1ポイント)が続く。
西日本エリアは東日本に比べて事業者間のシェア競争が激しいため、サービスや料金面での評価が全体的に高い傾向があり、NTT西日本の割引サービスが評価され、料金面の満足度が前年と比べて向上している傾向が見られるという。