フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、生体情報モニタ「IntelliVue MX」シリーズの新製品として、「IntelliVue MX400/450/500/550」4機種を発表した。

「IntelliVue」シリーズは、日本をはじめ世界各国の医療施設において、主に急性期部門、手術室などで使われる生体情報モニタリングシステムであり、累計40万台以上の販売実績がある。「IntelliVue MX400/450/500/550」は、従来製品「IntelliVue MX700/800」と同様にワイド画面を搭載し、同一のモニタリングプラットフォームでパラメータモジュールも互換性があることから、患者データをシームレスに統合でき、高い拡張性を継承しながら、現在の電子化・情報化ニーズにも幅広く柔軟に対応できるよう設計されている。

具体的には、「X2」によるデータの途切れのないシームレスな連携や、「NMT(神経筋伝達)」モジュールも含め、従来より販売されている「IntelliVue」シリーズ用パラメータモジュールへの対応など、拡張性がある。また、セントラルモニタとのネットワーク通信方式として、有線LAN、無線LAN(802.11a/b/g)、「IntelliVue Telemetry System(ITS/Philipsオリジナルの無線送信方式)」から使用環境に応じて選択可能なオプションが用意されている。セントラルモニタ「PIIC iX」との組み合わせでは、充実した患者データ管理機能が提供され、外部機器データも含めてHL7フォーマットによる院内情報インフラとの通信が行えるため、部門システムや電子カルテとのデータ統合も容易に行える。

そして、周囲の明るさに応じて画面の輝度を自動調整するセンサを内蔵し、在室患者の治療の質を高めることに貢献する。さらに、従来の「IntelliVue」シリーズと同様、タッチスクリーンを採用した直観的なユーザーインタフェース、ワイドな画面、柔軟なスクリーン構成により、確かな診断とワークフローの効率化に役立つ。加えて、多彩なCDS(Clinical Decision Support)ツールも充実しており、医療チームの臨床的な意思決定を支援する。

この他、人間工学に基づいて設計されたハンドルを内蔵し、専用のベッドハンガーマウントの使用やバッテリー駆動も可能な、搬送も含めた使用を想定した新しい筐体を採用。従来、パラメータモジュールでのみ提供していた外部機器接続「IntelliBridge」機能を、専用ボードの開発によりコンパクトな筐体へ組み込むことで、搬送中も、呼吸器や心拍出量モニタなどの外部機器の波形や数値情報などを同一画面上で管理することが可能となった。外装は交差感染に配慮し継ぎ目を極力減らし、様々な消毒剤にも対応した材質が使用されている。

なお、価格は「IntelliVue MX400」が80万円から、「IntelliVue MX450」が120万円から、「IntelliVue MX500」が160万円から、「IntelliVue MX550」が260万円から(全て税抜き)。年間販売台数は4機種合わせて約1500台を見込んでいる。

生体情報モニタ「IntelliVue MX400/450/500/550」