Q:日本の小学生の多くが背負っている「ランドセル」のデザイン、かわいいと思いますか?

小さな身体に大きなランドセルを背負った小学一年生が登校する光景は、日本の4月における風物詩です。かつて男子は黒、女子は赤のランドセルが一般的でしたが(私立は除く)、最近では水色や茶色、ピンク色などの中間色も増えてカラフルに。また素材も重い皮革製から軽くて扱いやすい素材へと進化しているそうです。

そんな日本人にとってはおなじみのランドセルですが、外国人のみなさんにはどんな風に見えているのでしょうか。日本在住の外国人20名に「日本の小学生の多くが背負っている「ランドセル」のデザイン、かわいいと思いますか?」と聞いてみました。

■かわいいと思います。(ブラジル/50代前半/女性)
■はい。かわいいです。(オーストラリア/40代前半/男性)
■かわいいと思う。(韓国/40代後半/男性)

肯定的な意見。現在のランドセルの形は明治時代に生まれたものであり、学習院初等科が初めて採用したことから「学習院型」と呼ぶのだそうです。小学生らしいかわいらしさが見た目のデザインからも伝わってくる、ということなのかもしれませんね。

■かわいいと思いますが、子供のために高い革のバックを買うのはよくわかりません。(フランス/30代後半/男性)

ハイブランドの多さでは群を抜く一方、個性や年齢に沿った質素なもの選びで有名なフランス。かわいさと実際に必要かどうかは別、という意見は、彼らの国民性がよく出た回答です。

■特に「かわいい」とは思いません。でも、便利で丈夫です。(スウェーデン/40代後半/女性)
■かわいいと思わないですが、丈夫で使いやすいです。(インドネシア/30代後半/男性)
■かわいいというよりは、丈夫さや耐久性、背負いやすさなどの点から非常に優れている。ぜひ母国でも取り入れるべきだ(スリランカ/50代後半/男性)

便利さや丈夫さを認めるという回答群。もともとは軍隊の背嚢(はいのう)からスタートしているだけに、その便利さや丈夫さは納得のいくところです。でも、よく考えれば物の回転が速い現代では、ランドセルのように6年間も使い続けられるかばんって、確かにあまりありません。見た目よりも、役割に特化した構造や専門の技への評価と言えそうです。

■普通。重そうな感じ。子供たちはこんな重そうなランドセルを背負っている、大丈夫かなと心配したこともある。(ベトナム/30代前半/女性)
■思わない。重いだろうと思う。(インドネシア/30代前半/女性)
■硬く、重く見えて、気に入りません。(ロシア/20代後半/女性)
■いいえ。かわいそうだと思います(トルコ/20代後半/女性)

ここからは否定的な意見。冒頭に書いた「小さな身体に大きなランドセル」のバランスは、とにかく「重そう」に見えるようです。かっての皮革素材は重量感たっぷりでしたが、現在では軽量で扱いやすいクラリーノ製がメインで負担も少ないとのこと。それでも「かわいそう」とまで感じさせる理由は、角張った形に影響があるのでしょうか…。

■かわいいと思いません。少し古くさく見えます。(ドイツ/30代後半/男性)
■いいえ。個性がないからです。(中国/30代前半/女性)

否定派のうち、重さとは別の理由によるものです。昨今では色も多彩になりましたが、同じ形がどうしても特殊さを醸し出してしまうのかも。

ちなみにドイツでは日本と同じ通学かばん(サッチェル)の習慣がありますが、デザインはかなり多彩です。最近のファッション界で人気のサッチェルバッグはイギリスのケンブリッジ・サッチェル・カンパニーの物が有名ですが、ドイツのaruzzi taugoなどでも大人顔負けのファッショナブルなデザインが並んでいます。

■いいえ。(シリア/30代前半/男性)
■変だと思う。(イギリス/40代後半/男性)
■思いません。(アメリカ/30代後半/男性)
■特に思いません(イタリア/30代後半/女性)
■全然かわいくないです。(スペイン/30代後半/男性)
■気に入りません。(ポーランド/20代後半/女性)
■思わない。(ペルー/40代後半/男性)

否定意見まとめて7本。母国でまったくランドセルを使う習慣がなく、なじみがないことがやはり大きな理由なのでしょう。

肯定派と否定派が大きく別れた今回のアンケート。40代以上の方に肯定派が多めなのが興味深いところです。日本人の感覚を共有されているという面からすると、在住歴が比較的長い方なのかもしれませんね。 またドイツやオランダなど通学かばんの習慣がある国の中で、質実剛健な印象があるドイツの通学かばんが非常にファッショナブルなことに筆者は驚かされました。デザインを意識する目の違いはこんなところにも現れているのですね。