キリンは4月10日、小岩井乳業との共同研究として、「プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株)」の経口投与によるロタウイルス感染による症状を緩和する効果を確認したと発表した。

今回の試験では、生後7日齢のマウスにサルロタウイルスを経口感染させ、ウイルス接種2日前から飼育終了時までプラズマ乳酸菌(JCM5805株)を1mg/日/匹となるように経口投与して調査を実施。

その結果、プラズマ乳酸菌投与群のマウスは、生理食塩水投与群のマウスと比較して、下痢による体重抑制が有意に緩和され、糞便性状スコアに関しても、ウイルス感染3日目で、有意な改善が確認されたという。

ロタウイルス感染後の体重の推移

また、プラズマ乳酸菌投与群のマウスにおいては、感染2日後の糞便中ウイルス量の有意な低下が確認され、さらに感染3日目における腸管での抗ウイルス因子の上昇傾向、脾臓中プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の有意な活性化が認められたとする。

糞便中ロタウイルス量の比較

これらの結果から研究グループは、ロタウイルスの感染・増殖は小腸上皮細胞で起こることから、腸管局所で免疫系を活性化誘導可能な乳酸菌は、デリバリ手法の観点からも特に有用と考えられるとの考えを示しており、今後は、乳製品をはじめ、キリングループの商品などへの応用と合わせて、他のウイルスに対する有効性も解明していく予定としている。