独SAPは4月8日(ドイツ時間)、主要製品である業務アプリケーションスイート「SAP Business Suite」の新しいクラウドサービスを発表した。土台には、自社インメモリ技術である「SAP HANA」ベースの「SAP HANA Cloud Platform」を利用しサブスクリプション形式で提供する。顧客に新たな選択肢を用意する、と説明している。

新クラウドサービスは、SAPが2013年に発表したHANAベースのクラウド土台となるSAP HANA Cloud Platformを土台とし、「SAP HANA Enterprise Cloud」の一部として提供する。SAP Business Suiteは長年オンプレミスとして提供されてきた同社のフラッグシップ製品であり、このところのトレンドである業務アプリケーションのクラウド化に対応する動きとなる。

SAP HANA Enterprise Cloudはすでに「SAP Business Warehouse」などを揃えており、今回Business Suiteがこれに加わる形となる。

SAPは世界各地にデータセンターを構築中で、現在16のデータセンターを展開中。4月に入り、日本でも東京と大阪にSAP HANA Enterprise Cloud用のデータセンターを開設している。データセンターはすべてインメモリ主導型で、これを利用して顧客はミッションクリティカルなアプリケーションを、管理されたクラウド環境で安全に動かすことができるという。データセンターではまた、運用に必要なエネルギーについて再生可能エネルギーの利用率を2014年初めより100%にしたことも報告している。

SAPは同時に、クラウドへのマイグレーションサービスの提供も発表した。シンプルかつ包括的なサービスで、顧客のクラウドへの移行を支援するとしている。すでにMcLarenなど数社が同クラウドマイグレーションサービスを利用する計画だという。