このほど、帝国データバンクと東京商工リサーチから2014年3月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では744件/1,119億6,000万円、商工リサーチの発表では814件/1,169億9,700万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2014年3月の全国企業倒産の件数は、前年同月比11.0%の減少となった。8ヵ月連続で前年同月を下回り、2013年度では12月(726件)に次いで2番目に少ない件数となった

2014年3月の全国企業の負債総額は、前年同月比22.6%の減少となった。2000年以降で最小を記録した前月(1,165億4,300万円)を下回り、2ヵ月連続で最小を更新した。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、7業種中5業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(134件、前年同月比35.9%減)は2ヵ月連続30%超の大幅減で、2000年2月(131件)以来、14年1ヵ月ぶりに130件台にとどまった

地域別では、9地域中7地域で前年同月を下回った。なかでも、北陸(27件、前年同月比25.0%減)、中部(104件、同24.1%減)、九州(43件、同20.4%減)の3地域は、前年同月比20%超の大幅減少となった。一方、東北(28件、同7.7%増)、中国(45件、同4.7%増)の2地域は前年同月を上回った。

商工リサーチの調査結果

2014年3月の倒産件数は、前年同月比12.3%減(115件減)で、 3月度ではバブル期の1991年(772件)以来、23年ぶりに900件を下回った。前年同月比の減少は過去5番目の17ヵ月連続に延びた(過去最長は1985年1月から90年9月までの69ヵ月連続減少)。

2014年3月の負債総額は、前年同月比26.4%減(421億1,300万円減)で、2ヵ月連続で前年同月を下回った。10億円以上の大型倒産は17件(前年同月32件)にとどまり、前月(19件)に引き続き20件を割り込んだ。負債100億円以上の倒産は2ヵ月連続で発生しておらず、負債1億円未満の倒産が590件(構成比72.4%)と全体の7割を占めた。

全国企業倒産月次推移 資料:東京商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、7産業が前年同月を上回った。増加したのは、サービス業他(207件、前年同月比0.9%増)、不動産業(30件、前年同月比7.1%増)、情報通信業(40件、前年同月比33.33%増)。

主要産業倒産件数推移 資料:東京商工リサーチ