シマンテック 代表取締役社長 河村 浩明氏

シマンテックは3月27日、バックアップアプライアンス製品「Symantec NetBackup 5230」を5月より国内で提供すると発表した。都内で行なわれた記者発表会には、シマンテック 代表取締役社長の河村 浩明氏と、同社セールスエンジニアリング本部 IMソリューションSE部 シニアプリンシパルセールスエンジニアの勝野 雅巳氏が登壇した。

同社のバックアップ アプライアンス製品は、昨年10月より提供している「Symantec Backup Exec 3600」に続くもの。バックアップソフト市場でシェアトップを走るシマンテック(IDC Japan調べ)だが、NetBackup 5230の提供により、「通常は、NECや日立、富士通、CTCといったベンダーのカスタマイズによって製品提供を行なっているが、アプライアンスとしてプリセットした製品の需要は根強いことがわかった。このアプライアンスの提供によって、拡販を図っていきたい」と河村氏が製品投入の狙いを説明した。

なお、同製品は、販売パートナーがCTCに限定されている。NetBackupシリーズの開発は、シマンテックが2005年に買収したベリタスが行なっており、当時からCTCが開発パートナーとして深い付き合いがあったという。この経緯から、「エンジニアの理解も深く、なおかつフルラインナップを迅速に投入できるメリットがあることから、CTCと拡販していくことに決めた」(河村氏)としている。

価格は14TBモデルがオープン価格で、28TBモデルが約3100万円、40TBモデルが約5600万円、76TBモデルが約9500万円となっている。28TBモデルについては、アプライアンス製品として40TBの有効容量を有しており、28TBへの制限ライセンスとして提供される。このことから、容量アップを視野に入れたライセンス導入ができるとシマンテックは説明している。また、76TB以上の容量を必要とするケースについては、「ITベンダーによるカスタマイズの方がコストを最適化できるのではないか」(シマンテック・勝野氏)としていた。なお、このアプライアンスによって、ハードウェア/ソフトウェアの一体提供ができることから、「初年度の費用が45%、継続的なメンテナンス・マネジメントコストが39%程度削減可能」としている。

NetBackup 5230で安定・安全・簡単を

シマンテック セールスエンジニアリング本部 IMソリューションSE部 シニアプリンシパルセールスエンジニア 勝野 雅巳氏

続いて、製品仕様の詳細をセールスエンジニア 勝野氏が説明した。

勝野氏によると、東日本大震災を契機としたBCPや、グローバル競争によるビジネスの加速によって、止められないシステム、止まってしまったシステムの迅速な復旧が重要になりつつあるという。

ただ、そのための対策としてバックアップを活用しても、ビッグデータ時代におけるデータ量の増大や仮想化技術の利用によって、バックアップ時間の増大や、物理・仮想環境混在によるバックアップの複雑化が起こっているとした。

そこで、最新のNetBackup v7.6ソフトウェアでは、重複排除高速合成バックアップや高速復旧などを実現。NetBackup 5230アプライアンスと合わせて、「安定・安全・簡単」を提供できると勝野氏は語る。

NetBackup 5230としても「バックアップサーバーのセキュリティはあまり気にされない企業が多いが、全システムのバックアップを取るから危険。シマンテックのセキュリティベンダーとしての高い検知・侵入防止機能により、強固に安全を守っていく」とその性能を強調。

Symantec NetBackup 5230

もちろん、バックアップ製品として重要な災害時のリストア機能、レプリケーション機能も用意。「普段使いのUIでリストアできるメリットもあるし、レプリケーション機能では、東京-関西の近距離だけではなく、海外でも安定した通信ができるようにWANの最適化を図っている」と説明した。