情報化が急速に進み、インターネットを通じて自社のサービスを展開することは、現在、当たり前となっている。企業情報の発信から「ECサイトを展開して商品を販売する」「ブランディングのため、特設サイトで広く世間一般にアピールする」「多数ある事業所をつないで業務の効率化を図る」など、インターネットはさまざまな形で企業に利用されている。そこで重要になるのが、どのようなプラットフォームにシステムを構築すればいいのかということだ。
ここではシステム基盤選定のポイントを探るため、実際にインターネット上でサービスを展開している企業に取材を敢行。今回お話を伺った「イデアインターナショナル」は、インテリア雑貨、オーガニックコスメ、トラベルなど7つのカテゴリーにおいて、独自性の高い様々な商品を幅広く展開する業界でも注目の企業だ。
つい最近ホスティングサービスを見直されたとあり、生の現場の声にも注目したい。
複数サイトを一括して、WebARENA 専用サーバーで運用
株式会社イデアインターナショナル 経営情報本部 Webシステムディレクター 鳥山敬治氏 |
「今回移築するきっかけとなったのは、以前利用していたサーバーが手狭になり、ホスティングサービスに求める内容も若干合わなくなってきたからです」と語るのは、イデアインターナショナル経営情報本部でWebシステムディレクターを務める鳥山敬治氏。実際に利用経験のあったNTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)の「WebARENA」を、最初から選択肢の1つに挙げていたという。「昔に比べ、スペックが向上していました。それでいて価格も本当に専用サーバーの値段なのかと疑うほどの安さ」と、性能面でもコスト面でも要件に合致したという。
同社では「コーポレートサイト」の運営、「社内ツール」の運用、「2つのECサイト」「複数のブランドサイト」の運用をそれぞれ別々のサーバーで行っていた。これを1つのサーバーに統合する。その一大移管プロジェクトのポイントとなったのは、コスト面はもちろん、稼働率等のパフォーマンスや、将来性を見据えた拡張性の豊かさにあったと鳥山氏は語る。
「ホスティングサービスに付与できるオプションの豊富さと自由度、我々が目指す将来像とのマッチングを考慮し、NTTPCのWebARENA 専用サーバーを導入する、という結論に至りました」
また、これまでは個別にCMSを自社開発してWebサイト運営に活用していたが、1つのCMSに統合したことで運用性が向上した。さらに一元管理の実現とスペック面で余裕ができたことにより、「今まであきらめていた施策を試せるようになった」と、ECチームリーダーのチョン・ジナ氏は言う。
「今までのサーバーでは容量が足りず、ECサイトに取り込みたいアイディアをあきらめざるを得なかったのが、新たなサーバーに一括移管したことで、たまっていたアイディアや施策を実行することができるようになりました」と手応えを語った。
セキュリティ対策の効率化により、安定した運用を実現
株式会社イデアインターナショナル ショップ事業部ECチームリーダー チョン・ジナ氏 |
新サーバー選定の重要な要素の1つとなったのが、セキュリティだ。顧客の個人情報を預かり、ECサイトを運営するうえで、細心の注意を払わねばならないテーマといえる。「以前は運営しているWebサイトが複数あることによって、個別にセキュリティ対策を考えなくてはならず、負担がありました」と鳥山氏。「WebARENAに乗り換えてからは、Webサイトを一括してセキュリティ対策が行えるようになり、効率的に安定した運用を行うことができるようになりました。また、帯域やスペックなどの性能も格段に向上したため、安心して運用できています」と自信をのぞかせる。
株式会社イデアインターナショナル 経営情報本部 システム企画担当 石川朋子氏 |
またデータセンターにおける物理的な条件も、導入の後押しになったという。「データセンターは国内のほうがレスポンスも良いと思っていました。NTTPCのデータセンターは震度7以上にも耐えられると聞き、安心しました」と経営情報本部の石川朋子氏。
インターネット業界は日進月歩。秒速で進化する世界に対応可能な情報提供に期待
現状、効率的でミニマムな環境を専用サーバーで構築しているイデアインターナショナルは、安定した稼働には非常に満足しているという。今後は、いち早く時流をつかみ、それをいかに自社サービスへと結びつけられるかがカギとなるだろう。