日立製作所と北海道大学(北大)は3月17日、国家プロジェクト「最先端研究開発支援プログラム」の採択を受けて、共同で開発を進めてきた革新的な新型陽子線がん治療システム「陽子線治療システム PROBEAT-RT」が完成し、同システムを導入した施設が、北海道大学病院内に竣工したことを発表した。

同システムは、北大がX線治療で培った「動体追跡照射技術」と、日立の「スポットスキャニング照射技術」を組み合わせ、肺や肝臓など、呼吸などで位置が変動する腫瘍に対しても、精度よく陽子線を照射することができ、正常部位への照射を減らすことができる治療システムで、共同開発を通じ、小型化も実現されている。

同大では、同施設での治療を2014年3月19日から開始する予定で、まずは「スポットスキャニング照射技術」を適用した治療を行いながら、「動体追跡照射技術」を組み合わせた治療システムの早期実現を目指すとしている。また、「動体追跡照射技術」と「スポットスキャニング照射技術」を組み合わせた治療システムについては、薬事法の製造販売承認を申請中であり、2014年度上期中の承認取得および治療開始を目指しているという。

施設の外観ならびに治療室の様子