東芝は3月13日、韓国SKハイニックスに対して不正競争防止法に基づき損害賠償請求を東京地方裁判所に行なうと発表した。
提訴は、2008年に東芝の四日市工場内で米サンディスクの社員として共同開発に従事していたSKハイニックスの元社員が、東芝の機密情報を不正に持ち出した疑いを元に行なわれた。機密情報を持ち出した元社員は、不正競争防止法違反の容疑で逮捕されている。
東芝は米サンディスクとNAND型フラッシュメモリを共同開発・生産しており、韓国サムスンと首位を争う。一方でSKハイニックスのシェアは、やや離された3位と見られている。
東芝とSKハイニックスは、提携・取引関係を結んでいるが、「NAND型フラッシュメモリ分野では競争関係にあり、コア技術の機密情報が漏えいした疑義が生じて調査を行なったところ、その過程で"看過できない不正の事実"が発覚した」(東芝)として、提訴に至ったという。
東芝は、「事業競争力の源泉である技術の先進性を確保していくため、最善の情報漏えい防止体制の構築を図ると共に、不正競争行為に対して断固たる措置を講じる」としている。