京都市は3月3日、交通分野のオープンデータ化事業に着手したと発表した。同市では、「歩くまち・京都」の実現を目指し、交通分野におけるICT(情報通信技術)の活用に取り組んでいる。

オープンデータとは、政府や自治体等が保有するデータを、コンピュータの処理が容易で二次利用しやすい形式で公開することで、国民や産業界にとって有益な情報が得られやすくなるほか、新事業・新サービスの創出等の効果が期待できる。

京都市の交通分野のオープンデータ化は、交通分野で公開を検討すべきデータとして、バスや地下鉄の時刻表データ、バス停の位置情報や駅の構内図、駐車場の位置情報や満空情報、タクシーのプローブ(走行)情報、観光施設情報、緊急避難場所情報などが考えられおり、こうした情報が使いやすい形で公開されることにより、様々な便利なアプリケーション(スマートフォンなどのソフトウェア)の開発や、市民や観光客の皆様の京都での移動が一層便利になるだけでなく、IT産業の振興にもつながると考えられている。

また、交通分野のデータは自治体だけではなく、民間において保有されているものも多いため、協力可能な民間企業・団体のデータについてもオープンデータ化したいと考えている。こうした観光・防災を含む幅広い交通データを官民連携で公開することは全国的にも珍しい取組であり、今後、民間の企業・団体の協力を得るために、広くデータの提供を呼び掛けていく。

まず、25年度は、総務省の実証実験「情報流通連携基盤の観光・防災情報における実証」に協力することによりオープンデータ化を実施し、行政等が所有している交通関連情報・観光情報・防災情報を収集し、オープンデータとしてインターネット上に二次利用が可能な形で公開する。

具体的には、オープンデータ化を行う際のデータ規格の構築、情報流通連携基盤システムの構築、基盤システムを通じたオープンデータ化の実施、オープンデータを活用したパイロットアプリケーションの開発、一般公募によるアプリケーション開発を行うという。

京都市では、さらに今後、オープンデータに続き、ビッグデータの活用、パーソナルデータの活用といった3つのデータ(3D)を活用し、移動が快適で便利な都市を実現していくという。