デル 代表取締役社長 郡信一郎氏

デルは2月20日、1月末でFY14が終了し、2月から新年度のFY15がスタートしたことから、新年度事業戦略説明会を開催。デル 代表取締役社長 郡信一郎氏はFY14を総括して、「FY14は逆襲の年にしたいと宣言してスタートしたが、すべての製品で前年度を上回り、良い年になったと思っている」と述べた。

特に好調だったのは、クライアントビジネスで、他社を上回り年間成長率+28.5%を達成し、シェアも2%以上伸ばしたという。クライアントビジネスは、コンシューマー、ビジネスいずれの分野も伸びており、郡氏はその要因として、「XPからの移行需要もあるが、セグメントごとに作戦を練って実践した結果だ」と説明した。

同社では、クライアントのセグメント単位に新規と既存に分けニーズを分析し、それに合わせた施策を一昨年より実施しており、その結果が昨年出たのだという。

クライアントビジネスの成長率(2012年同期比比較)

サーバも1%程度シェアがアップしており、こちらの要因について同氏は、「サーバだけでなく、ストレージやネットワークなど、システムをトータルでサポートしてきた点が評価され、信頼性が上がってきたためだ」と述べた。

その上で同氏は、「これまでは、デルは主にハードウェアベンダーとして認識されてきたが、最近はソリューションベンダーとして、認識されるようになってきている。 今後はソリューションプロバイダの地位を確立していきたい」と語った。

2月からスタートしたFY15の注力分野として同氏は、ストレージとセキュリティを挙げた。

ストレージ分野では、Software-Definesによるデータ運用の自動化を目指すという。 郡氏は、「お客様が求めているのは、いかに人的なリソースをかけずに、IT化のメリットを享受するかといういう点だ。 7割以上の予算がIT管理に割り当てられている現状を変え、お客様が戦略的な事業に投資できるようにしていきたい。それには、ストレージが大きな役割を果たす。 今後はオールフラッシュ製品を充実させ、レガシーなミッションクリティカル分野に適用していく。これは大企業だけでなく、SMBも対象だ。そのために、SMBのニーズを満たす製品を、コストメリットがある形で提供していきたい」と述べた。

一方、セキュリティ分野では、顧客の投資効果を可視化し、セキュリティ運用を自動化することを目標にするという。 郡氏はこの分野のデルの強みについて「上流コンサルティンングにそってセキュリティをデザインし、実装していく部隊および製品をもっているのが弊社の強みだ」と強調した。

セキュリティでの注力する分野

また、パートナーを拡充していくこともFY15の注力ポイントだという。そのため同社では、パートナービジネスを直轄する部署を設け、専任の執行役員を置き、人員を大幅に増やしたという。

同氏は「直販とパートナー販売を車の両輪のようにしていきたい」と述べ、今後は間接販売の比率をより高めていく意向であることを明らかにした。