ワールドワイドではエンターブライズ環境での採用が進む

続いて登壇したJoe Wang氏は、同社製品がなぜ市場で受け入れられているか見解を示した。Wang氏はまず、近年の注力してきた分野として、セキュリティの可視化があるとし、次のように語った。

米WatchGuard Technologies CEO Joe Wang氏

「セキュリティの可視化では、ビッグデータから利用価値の高い情報を見つけ、それをピンポイントでドリルダウンしながら突き詰めていくことが大切だ。それを可能にするのがDimensionだ。小規模環境から大規模環境まで同じように利用でき、成長のドライバーになっている」(Wang氏)

実際、大規模環境での利用も進んでいるという。Wang氏は、ワールドワイドの導入事例として、小売、文教、医療、外食、テレコムなどのケースを紹介した。たとえば、文教分野では、キャンパスネットワークのセキュリティ保護で毎月のように採用が進んでいる。ノースカロライナ州ダーラム学区(Durham District School Board)では、すべての学校が同社製品を採用しているとのこと。

また、リテール分野では、コンビニエンスストアのミニストップにおける海外2000店舗での導入事例や、メキシコの薬局チェーンPharmaciaによる全1500店舗での導入、家具のIKEA、フードサービスのHMSHostなどを紹介した。

このほか、エンターブライズ分野では、2013年の第4四半期に新たに顧客となった事例として、XTM 2520を6台導入したロッキード・マーティンや、オバマ大統領の子息が通うことで知られる学校Sidwell Friends School、クリスピー・クリーム・ドーナツ、カナダ国防省などがあるとした。

グローバルでの導入事例。大手企業での採用が進んでいる

CEO Wang氏が明かすウォッチガード成長の秘密

そのうえでWang氏は、なぜ同社製品が選ばれるのかについて、3つのアドバンテージがあるためだとし、それぞれを解説した。3つというのは、UTMのパフォーマンス、ベストオブブリードのテクノロジー、高い管理性となる。

顧客がWatchGuardを選択する3つの理由

1つめのパフォーマンスについては、チップセットとしてIntel(ハイエンド機種)およびfreescale(ローエンド機種)を採用し、柔軟性が高いことを指している。「特定のチップセットに最適化した設計では、新しいチップセットの進化に合わせてハードウェアを更新していくことが難しい。われわれは、常に最新のチップセットを使って、製品のパフォーマンスを高めることができる」(Wang氏)という。

2つめのベストオブブリードのテクノロジーとは、UTMそれぞれの機能ごとに得意なベンダーと提携していることだ。「ベストな機能を取り入れることができ、われわれはプラットフォームの開発に注力できる。このため、新しい機能が提供されたときにすぐに対応できる」(同氏)。昨年、UTMの機能にDLP(Data Loss Prevention)を取り入れたが、こうした柔軟な機能の追加、更新ができるのもこの仕組みのおかげだという。

WatchGuardのアーキテクチャ

3つめの高い管理性とは、UTMのそれぞの機能を適切に管理できることや、新しいサービスの開発に注力できる体制のことを指している。UTM機能の管理では、パイプラインアーキテクチャと呼ばれる仕組みを使って、UTM機能すべてを有効にしたときにパフォーマンス低下が起こらないようにしている。また、新しいサービスの管理では、社内のリソースをうまく使って、DimensionのようなUTMと連携したサービスのリリースにつなげている。

Wang氏は、これらアドバンテージをさらに強めながら、中小規模から大規模までの顧客のセキュリティ対策をサポートしていくとした。