富士通は11月5日、札幌市消防局における消防指令システムと北海道石狩振興局管内6消防(札幌市消防局、江別市消防本部、北広島市消防本部、恵庭市消防本部、千歳市消防本部、石狩北部地区消防事務組合消防本部)で共同利用する消防救急デジタル無線システムを構築し、本格的な運用を開始したとを発表した。

総務省消防庁は、近年の災害や事故の多様化および大規模化、住民ニーズの多様化などに対応するため、消防の広域化を推進している。また全国の消防団体は、電波法改正により、従来のアナログ無線の使用期間が2016年5月までとされていることを受けて、デジタル無線への切り替えを行っているところだ。

そこで一般的な消防局では、119番通報を受け、災害に応じた出動隊を編成し、消防署および出動車両に指令を通知する消防指令システムと、消防本部と災害現場間の音声、および文字メッセージでのコミュニケーションを可能にする消防救急デジタル無線システムが稼働している。

札幌市消防局の新しい消防指令システムは、音声のほかにメールやFAXでの通報が受け付けられ、通報連絡のGPSや電話番号に基づいて電話局から消防局に発信される固定電話の発信地情報から取得した位置情報を、消防・救急車両のナビゲーションシステムに転送することにより、災害活動着手時間の短縮を実現する。

また、石狩振興局管内6消防で共同利用する消防救急デジタル無線システムは、政令指定都市で初となる高出力携帯型無線装置を採用しており、一般的な携帯型移動無線装置の約1.5倍の通話距離性能(実測)があるため、災害現場で広範囲の情報伝達が可能となる。さらに、デジタル化によりセキュリティ面も強化されている。

札幌市消防局における消防指令システムと北海道石狩振興局管内6消防で共同利用する消防救急デジタル無線システム

これらのシステムにより、札幌市消防局を中心とする石狩振興局管内6消防は、災害現場での状況や消防・救急車両の配備状況などの連絡を、従来よりも安全・迅速かつ正確に行うことができるとしている。