デルのサーバ事業が好調だ。米IDCが発表した2013年第2四半期(2013年4~6月)のx86サーバ市場でのデルのシェアは25.7%と第2位。首位のHPが5.0ポイントシェアを落としたのに対して、デルは前年比10.3%の売上高成長となり、2.7ポイントシェアを引き上げ、その差を縮めている。

日本においても、デルの成長は顕著だ。サーバの市場成長率が鈍化するなかで、デルが好調な理由はなにか。そして、今後のサーバ事業への取り組みはどうなるのか。米デル サーバーソリューションズ バイスプレジデント&ゼネラルマネージャーのフォレスト・ノロッド氏に聞いた。

--発売から1年半を経過した第12世代サーバの成果を、どう自己評価していますか?

米デル サーバーソリューションズ バイスプレジデント&ゼネラルマネージャー フォレスト・ノロッド氏

2012年3月に発表した第12世代サーバに対する市場の評価には、極めて高いものがあります。第12世代サーバは、仮想環境においてベストなサーバを目指して開発したものであり、管理面においてもエージェントレスという新たな提案を行っています。これらは他社に先んじたものであり、その点が情報システム部門などに高く評価されていると考えています。エンタープライズユーザーが、サーバを選択する際に最も重視するのは信頼性です。デルのサーバは、この点で他社に比べて長けています。

そして、もうひとつの重視されるポイントであるパフォーマンスにおいても、同じCPUと同じメモリを搭載したHPの第8世代サーバに比べて、デルの第12世代サーバは、11%もパフォーマンスが上回っています。仮に同じ性能を発揮させた場合には、デルのほうが電力消費量で20~25%下回っている。

デルは、世界で最大規模のデータセンターのメインサプライヤーであり、そこにおいて、いかに効率性を高めるか、あるいはタスクを排除し、自動化するかといったことに取り組んできました。そうした経験が、第12世代サーバのパフォーマンスや管理性などに生かされています。過去数四半期のデルのサーバビジネスは右肩上がりとなっています。デルは、最新の技術でリードし、実務的な領域において、イノベーションを起こしている。これは、デルがクラウドサーバ市場や高密度サーバ(Density Optimized Server)市場において、全世界で50%以上のシェアを誇っていることからも証明されるといえるでしょう。

--デルは、ここ数年の相次ぐ買収で「ソリューションプロバイダー」への変革に取り組んでいます。これはどの程度進捗していますか?

この取り組みは長い道のりとなります。実際、過去7年ほどにわたり、ストレージ、ネットワーク、システム管理、ソフトウェアなどの領域で120億ドル規模の投資を行ってきました。それによって、デルが目指す真のソリューションを提供する体制が出来上がってきたといえます。では、デルが目指す真のソリューションとはなにか。それは、競合他社が目指すものとは明らかに異なるものです。

IBMは、偉大なソリューションプロバイダーですが、サービス主導型であり、それに向けて多くの人員を投入しています。ただ、顧客からみると、いつサービスが終わるのか、いったいいくらかかるのかがわからない契約となっています。一方、HPは、サーバ、ストレージ、ネットワークの製品群を備えていますが、これらを一緒に動かすために、複雑なツールを提供しようとしています。これに対してデルは、管理を簡素化し、自動化し、コンタルサントが必要ないソリューションを提供しようとしている点が大きく異なります。その最たるものが、Dell PowerEdge VRTX(バーテックス)となります。

VRTXは、小規模オフィス、大手企業の支店などに導入する新たなカテゴリーの製品で、仮想化された環境でも、仮想化されていない環境でも使うことができるサーバソリューションです。VRTXにもデルソフトウェアの技術が多数活用されており、管理を行いやすい環境が実現されています。ライフサイクル全体に渡り、統合管理が可能になっています。

「Dell PowerEdge VRTX」