創業者兼CEOのMichael Dell氏

米Dellは9月12日(米国時間)、同日開催した臨時株主総会にて創業者兼CEOのMichael Dell氏が同社を249億ドルで買収し、非公開企業となる計画を承認したことを発表した。Dell氏は創業した企業を再び買い戻し、PCメーカーからソリューションベンダーへの転身を図る。

非公開化計画はDellが2月に発表していた。1984年に創業したDell氏が投資会社のSilver Lake Partnersと共にレバレッジドバイアウト手法によりDellを買収して非公開化するもので、当初の買収金額は1株あたり13.65ドルだった。

この計画はその後、Dellの大株主であるSoutheastern Asset Management、それにCarl Icahn氏の反対にあっだが、8月にデラウェア衡平法裁判所がDellとDellの取締役会のやり方を不服としたIcahn氏の訴えを退けており、大きな障害がなくなった形となった。その間、Dell氏らは買収金額を1株13.75ドルに引き上げていた。

Dellによると、12日に行われた株主投票の暫定結果で非公開化案への承認が過半数を占めたという。この条件の下、Dellの株主は、1株13.75ドルと0.13ドルの分配金を受け取る。取引は、同社会計年度2014年第3四半期(2013年8月~10月)に完了を見込む。

DellはPCメーカーとしてスタートした後、サーバー、ストレージとハードウェア事業を拡大させてきた。現在はソリューションベンダーを目指してソフトウェアとサービスを強化しており、2012年にソフトウェア事業部を新設している。 Gartnerが発表した2013年第2四半期のPC市場報告書では、中国Lenovo、米Hewlett-Packard(HP)に次ぐ3位で、シェアは11.8%。PCはタブレットなどの影響を受け、市場そのものは前年同期から10%以上縮小している。