PUTEKO LIMITEDがリリースしたAR活用の塗り絵アプリ「ColAR」。子どものころに多くの人が体験した遊びと先端技術のAR(拡張現実)が出会ったこのアプリを、いい大人がひとりで試してみました。

「ColAR」のWebサイト

塗り絵のイラストをダウンロードするページ

このアプリで遊ぶにあたって、まずは「ColAR」の公式サイトにアクセスして、塗り絵用のイラストをダウンロードします。通常、無料で遊べるのは1種類の絵柄のみなのですが、期間限定で有料の絵柄が無料で配布されているため、せっかくなので有料の絵柄からも1パターン選んでダウンロードしました。

今回は、子どものころ経験した「アナログの塗り」のほかに「デジタルの塗り」での動作も見てみたかったので、無料の絵柄「Pukeko」を「Adobe Photoshop Elements 10」で読み込んで着色。一方、有料の「Girl」の絵柄は紙に印刷して、自宅から発掘された色鉛筆で色を塗りました。

色を塗り終わったものがこちらになります。左の絵はPhotoshop Elementsで、右は色鉛筆で着色しました

「ColAR」アプリのトップ画面。左側の「Play!」を選択すると塗り絵の読み込みが行えます

「Play!」モードには3DCGのムービー再生/停止ボタンや、スクリーンショットを撮るためのボタンが用意されています

ちなみに、公式サイトではアナログでの色塗りを前提に機能説明がされているため、印刷したイラストに色鉛筆やクレヨン、マーカーなどの筆記具で色を塗るのが王道の遊び方。使う筆記具に指定はないですが、公式サイトによれば、三菱鉛筆の水性マーカー「ポスカ」を使って塗ったところ、アプリが正しく動作しなかったという事例もあるそうです。これは、輪郭線が塗りつぶされることによってARの認識が阻害されるため。他の筆記具で塗る際も、輪郭線のそばを暗い色で塗りつぶさないようにアナウンスされています。

と、ここまでなら普通の塗り絵ですが、「ColAR」の見せ場はこれからです。専用アプリ(iPhone・iPad/Android対応)をスマートフォンやタブレット端末にダウンロードして、アプリを起動させた状態で塗り絵を認識させると、塗り絵の中のキャラクターや背景などが3DCGとなって飛び出してきます。

ARマーカーを読みこむと3DCGのキャラクターが飛び出してくる、という一連の流れはARアプリの定番ですが、飛び出したCGモデルの表面に自分の塗った通りの色が反映されているのは想像以上にワクワクしました。メインの絵だけでなく、背景に描かれた物も飛び出してくるので、自分で作った箱庭をのぞいているような気分です。

塗り絵のイラスト全体をカメラに写すようにすると、読み込み部分が赤から青に変わり、イラストが3DCGとなって飛び出してきます

無料の絵柄「Pukeko」は、南国っぽい鳥と背景の樹木や草むら、そして手前に描いてある虫が飛び出し、鳥が虫をパクパク食べ始めます。捕食に至るまでの動きが結構リアルでした

続いて、色鉛筆で塗った方のイラストを読み込んでみることに。かわいらしい「Girl」のイラストを選択し、洋服の柄として当媒体のマスコットキャラクターであるマイナビベアを描いてみました。アプリ越しに見るとGirlは想像以上のナイスバディで、マイナビベアの顔がうまく見えないというアクシデントにも見舞われましたが、確かに自分の塗った通りになっています。色鉛筆で塗ったため、先ほどの絵よりもあわい色合いです。自分が参加していると感じられるのはやはり楽しいです。

ただ、やたら装飾的で塗るところの多かった氏名/年齢を書く欄や、思わせぶりなフキダシなどはアプリで遊ぶ際には特に機能を持たなかったため、ちょっと"塗り損"に思えてしまったので、アプリで見える部分が先に分かるとより良かったと感じました。とはいえ、洋服の背面の柄を全面の画像データでまかなったり、塗り絵にはなかった手の部分を靴と同系統のパーツで補ったりするなど、限られた情報で3DCG化する努力が見え、じっと眺め続けていたい面白さがありました。

アプリ越しに塗り絵を見ると、ナイスバディのGirlがきょろきょろしたり、ふしぎなおどりを踊ったりします

ボタンは画面を1回タップすると出現。ボタン押下とタップの区別が甘く、ミスタッチが少し多い印象

後ろ姿などは別のパーツから柄を引用

子ども向けではあるものの、大人の方がハマってしまいそうな魅力のあるこのアプリ。有料の絵柄が無料でダウンロードできるのは7月28日までなので、気になる人は一度遊んでみてはいかがでしょうか。