昨年、自分が何時間働いたか把握している人はどれぐらいいるだろうか? 経済協力開発機構(OECD)によると、加盟国の年間労働時間の平均は1765時間で、日本はこれより少ない1745時間だという。加盟国34カ国のうち、最も労働時間が短いのはオランダの1381時間、われわれよりも年間364時間――つまり、まるまる16日間多く休暇を楽しんでいる計算になる。

労働時間が少ない国の上位を占めたのは、欧州の国々。オランダをトップに、ドイツ、ノルウェー、フランスなどが続く。日本は20位で、米国(23位)の1790時間より少ない。最も多かったのはチリで、2226時間。韓国などデータがない国もある。

CNN Moneyの記事「世界で最も週の労働時間が短い国(原題 : World's shortest work weeks)」では、OECDの調査に基づき、各国の週単位での労働時間と年間平均所得を割り出している。トップのオランダは、週のうち29時間が労働時間で、平均所得は47000ドル(約470万円)。政府がワークライフバランスを奨励していることもあり、週4日労働がかなり定着しているとのことだ。2000年に成立した法の下で、労働者は労働時間をパートタイムに減らしても職を維持でき、保険などのメリットも享受できるように保証されているという。

2位はデンマークとノルウェーで、労働時間は週平均33時間と短い。年間所得はそれぞれ、デンマークが46000ドル(約460万円)、ノルウェーが44000ドル(約440万円)だという。デンマークもワークライフバランスが進んでおり、年間の有給休暇は最低5週間。デンマークは、欧州の国にしては珍しく解雇が簡単だが、政府は失業手当を最大2年間支給するなどサポートが手厚い。

4位はアイルランドで、労働は週34時間が平均、所得は年間51000ドル(510万円)という。アイルランドは労働時間が急速に減り、他の欧州諸国レベルになった国で、1983年には週44時間だったのが30年間で10時間減ったとのことだ。

5位以下10位までは、次のようになっている。オーストラリア以外は欧州諸国が独占した形だ。

ドイツ(週平均労働時間35時間、年間平均所得40000ドル)、スイス(同35時間、同50000ドル)、ベルギー(同35時間、44000ドル)、スウェーデン(同36時間、同38000ドル)、オーストラリア(同36時間、同45000ドル)、イタリア(同36時間、34000ドル)。