日本ヒューレット・パッカードは16日、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)ソリューションファミリの開発テスト用サービスシミュレーションツールを強化し、新たにSAPプロトコルへ対応とテスト管理ツールとの連携の向上を図った新バージョン「HP Service Virtualization software 3.0」(日本語版)を発表した。

昨今のビジネス向けWebアプリケーションは、現実のビジネスプロセスを反映した複雑な構造になりがちで、特にバックエンドでERPと連携するようなシステムの場合、クライアントや開発対象のモジュール間の複雑なコミュニケーションを考慮したテストを行う必要がある。

一方で、本番投入までの期間を考慮すると実機をテストに利用できる時間帯や回数は限られ、ごく単純なレベルのテストしか実施することができず、一定のリスクを抱えるケースは少なくない。また、テストツールやスタブはサブプロジェクトで個別に制作する必要があり、プロジェクト全体や全社的に大きなコストを負うことになってしまう。

日本HPのサービスシミュレーションツール「HP Service Virtualization software (HP SV)」は、動的な応答が可能なテスト用スタブを仮想サービスとして容易に生成する。これにより実機のスケジュールや利用制限に関係なく、実機の反応に近い仮想レスポンスでテストを実施できるようになる。

新しいHP SV 3.0では、これまで提供されていた主要Webサービスプロトコル(SOAP、REST、JMSなど)による仮想サービスに加え、SAPコンポーネント間、およびそれらとのコミュニケーション(RFCやIDoc)を含む仮想サービスが追加された。

HP SVにより生成された仮想サービスを有効に共有して活用するため、テスト管理ツール「HP Quality Center software」と、上位版「HP Application Lifecycle Management software」上で仮想サービスを共有・管理できるように連携・統合機能を設けた。