Xiph.Org is a collection of open source, multimedia-related projects

Xiph.Orgは6月20日(米国時間)、現在開発が進められてる次世代動画コーデックである「Daala」に関するページを公開した。Daalaの基本的な説明、コーデックの基本的なアイディア、既存技術の問題点やDaalaとの違い、関連資料へのリンクなどが掲載されている。現時点で次世代の動画コーデックは「VP9」または「H.265 (ISO/IEC 23008-2 HEVC)」となるが、「Daala」はさらにその先を狙った動画コーデック。コーデックライブラリはロイヤリティーフリーでFOSSライセンスの元で提供される見通し。開発はエンコーダとデコーダのプロトタイプが完成したレベルに到達している。

next generation video: Introducing Daala」の説明によれば、VP9やH.265は25年前に開発されたH.261の基本設計を踏襲しており、問題点などを随時改善してきた成果物の最新版ということになる。この方法は確実に性能を改善しながら次の世代に進むことができるという面で安全だが、既存の設計にしばられるため、劇的な改善が難しいという側面も抱えているという。

Daalaではこうしたアプローチを取らず、重複変換(Lapped Transform)と呼ばれる仕組みをベースに、まったく新しい設計といくつもの新しいテクニックを採用したコーデックを目指しているという。こうした新設計を採用することで一気に性能を引き上げるとしている。

重複変換(Lapped Transform)をベースにすることで、特許に関する懸念も減ることが指摘されている。H.265などH.261系の動画コーデックはブロックベースの離散コサイン変換(DCT)を採用しているが、この技術は多くの特許が存在するため、特許に縛られる危険性が高い。Daalaでは別の変換方法に基づくことで、こうした特許関連の問題から離れるというアプローチを採用している。