国民生活センターは6月13日、相談事例が増加している「"遠隔操作"による勧誘トラブル」に関して、消費者に注意を促す記事を公開した。

同センターによると、最近、プロバイダの契約にあたって「事業者から電話で勧誘され、よく理解せずいわれるままにPCを操作し、事業者に自分のPCを"遠隔操作"してもらったところ、承諾していないプロバイダなどの契約に申し込まれてしまった」といったトラブルに関する相談が複数寄せられるようになったという。

PCのOSが提供する遠隔操作機能や遠隔操作用の無料ソフトをダウンロードすると、自分のPCのデスクトップ画面を、操作を依頼した相手のPCに表示して、画面の遠隔操作やデータの転送などを行えるようになる。この機能はだれでも簡単な手順で利用でき、今回の「"遠隔操作"による勧誘トラブル」はその点を悪用したものとなっている。

"遠隔操作"による勧誘トラブル イメージ図

このようなトラブルは、消費者と事業者との間における合意内容を事後に確認しにくく、解決が難しい。そのため、同センターは被害を未然に防ぐ目的で、具体的な相談事例を公開している。

【相談事例1】遠隔操作で承諾していない契約を結ばされたケース
プロバイダを乗り換えれば安くなると電話で勧誘され、契約することにした。プロバイダの乗り換え作業は遠隔操作で行うといわれた。約束の日に先日の事業者から電話があり、指示されるままに、PCを立ち上げた後、指示されたホームページを見て何かの数字を教えたことは覚えているが、それ以外、自分は何もしていない。数日後、見知らぬプロバイダ事業者から届いた圧着はがきを確認したところ、以前より高い月額利用料となっており、頼んでいない映像配信サービスやリモートサービス等も契約したことになっていた。解約したい。
(2013年2月受付 相談者:60歳代 女性 家事従事者 静岡県)

同センターは「消費者へのアドバイス」として、「自分のPCを勧誘業者に遠隔操作させて契約をしないこと」「契約の内容を十分に理解して契約すること。必要がなければ、きっぱり断ること」「トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センターに相談すること」を推奨している。