日本マイクロソフトは6月13日、発売中の同社タブレット端末「Surface RT」を期間限定で1万円値下げすると発表した。同日、日本法人の本社で記者会見が行われ、代表執行役 社長 樋口 泰行氏は、先日値上げを発表した競合のアップル iPadに対する価格優位性をアピールした。
会見の冒頭、樋口氏はWindows 8を搭載し、6月7日に国内販売が開始されたSurface Proの販売状況に触れ、「予約期間はRTの半分しかなかったのにも関わらず、予約数では2倍となった」と語り、好調な売れ行きをアピール。
その上で、ProとRTの製品特徴として、「RTはタブレットにPCの利便性が、ProにはPCでありながら、タブレットのように気軽に使える」点を挙げた。近年、タブレット端末の市場拡大に合わせ、PC市場の地盤沈下が言われているが、「そんなことはない」と樋口氏。
「タブレット端末を利用してみると、『逆にPCの利便性を再認識した』という消費者の声を聞く」と語り、PCの利便性を兼ね備えているとアピールするSurface RTがタブレット端末として最適なものであることを強調した。
続けて「Surface RTを更に手軽にご利用いただける価格帯で提供する」といい、6月14日~7月14日の期間限定で全モデルを1万円値下げするとを発表した。
現在、Surface RTは32GB/64GBモデルにタッチカバーの有無で4種類のラインナップがあり、最安の32GB タッチカバー無しモデルが4万9800円から3万9800円となる。
製品名 | 旧価格 | 新価格 |
---|---|---|
Surface RT 32GB | 4万9800円 | 3万9800円 |
Surface RT 64GB | 5万7800円 | 4万7800円 |
Surface RT 32GB + タッチカバー | 5万7800円 | 4万7800円 |
Surface RT 64GB + タッチカバー | 6万5800円 | 5万5800円 |
この価格は、先日値上げが発表されたアップルのiPadを強く意識したものであり、発表スライドでもiPadとの価格比較を行っていた。特に、iPad miniとの比較では、「Officeを搭載しており、ディスプレイサイズが一回り大きいにも関わらず3000円安く購入できる」と力を込めて語った。
チャレンジャーとしての意気込み
会見後の質疑応答では、販売状況が思わしくなく、てこ入れを行うための値下げか?という質問に対し、樋口氏は「販売状況が悪いというわけではない。想定より上だが、iPadの値上げタイミングと、夏期のボーナス商戦に合わせて攻勢をかけたかった」と答えた。
その後も同様の質問が続いたが「PCなどは販売直後に大量に売れて、その後販売量が落ち込む。Android端末のNexus 7もそのような販売状況。その点Surface RTはコンスタントに売れている」と述べ、ブランドが着実に認知されている自信を見せた。
会見の中でも取り上げたアップルのiPadに対抗する意気込みを求められた樋口氏は、「Surface RTのタブレット端末市場ではチャレンジャーの立場だ。チャレンジャーとして攻めていく。頑張っていきたい」としたほか、為替を考慮した価格設定について「消費者には受け入れられないのではないか?」とアップルにチクリ。
最後に、SurfaceRT/Proの違いを消費者が認識できておらず、差別化の意味合いでも値下げを行ったのか?との問いに「Surface ProはフルPCであるが、Surface RTはフルPCに対してどこまでの機能を利用できるのか消費者に分かりづらい面はあると思う」と差異が認識しづらい状況を認めた。
その上で、「タブレット端末でありながら、iPadなどと違い、フルPCと同じ感覚でキーボードやオフィスが利用できるのは非常に大きい。値下げは、フルPCと同じ感覚で使えるタブレットを広げていくためのアクション」と語り、会見を終えた。