日本HPは5月27日、昨年の10月に発表したWindows 8搭載の法人向けタブレット「HP ElitePad 900」に、800MHz、1.5GHz、2GHzの周波数に対応したLTE搭載モデル4機種を発表した。

KDDIのLTE回線「au 4G LTE」に対応した「HP ElitePad 900 for au」と、NTTドコモのLTE回線「Xi(クロッシィ)」に対応したモデル「HP ElitePad 900 for DOCOMO」の2種類があり、それぞれにWindows 8モデル(SSDは32GB)、Windows 8 Proモデル(SSDは64GB)が用意される。

「HP ElitePad 900 for DOCOMO」(左)と「HP ElitePad 900 for au」(右)

対応通信回線

どちらの回線用も、Windows 8モデルが9万1,350円、Windows 8 Proモデルが11万1,300円。日本HPのオンラインストアHP Directplus、HP Directplusコールセンター、日本HP販売代理店、HP Directpartnerにて、6月中旬より順次、販売を開始する。

LTE回線の契約は、端末入手後、購入者が別途行う必要がある。ただ、「au 4G LTE」については、SIMカードを本体に同梱させる形で入手することも可能(別途回線契約は必要)。なお、契約回線を「au 4G LTE」と「Xi」間で、途中で変更することはできない。

「HP ElitePad 900 LTE対応モデル」は、米軍調達基準「MIL-STD-810G」をクリアする堅牢性を備え、新しいモバイルデバイスマネージメント(MDM)サービス、「Computrace サービス」も提供される。

従来から、「HP ElitePad 900」には現在位置の確認や遠隔操作によるPCロック、データ消去などが可能なソフトウェア「Find My PC(4年間有効)」が無償バンドルされていたが、今回より提供を開始する「Computraceサービス」では、ソフトウェアの更新・追加状況、端末の持ち出し状況の管理、紛失/盗難時の端末回収など、複数台のタブレットを一括して管理することが可能となり、より効果的なモバイルデバイスの管理を実現することができる。

「Find My PC」と「Computraceサービス」

また、「HP ElitePad 900」に搭載されていたセキュアエレメント付きのNFCリーダーを活用した本人認証についても、ジャパンシステムの「ARCACLAVIS」、ソリトンシステムズの「SmartOn」における動作検証が完了した。これにより、ICカード認証によるログイン制限、USBメモリやネットワーク接続の利用制限も可能になった

非接触ICカードによるログオン認証をサポート

あらかじめ企業の独自アプリを組み込んで出荷するカスタムインテグレーションサービス(CIS)にも対応)

主な構成(両機種共通)は、10.1インチワイド WXGA(1,280×800)ディスプレイ(デジタイザー内蔵&マルチタッチ、Intel Atom Z2760、2GBメモリ、32GB/64GB SSD(eMMC)、IEEE 802.11a/b/g/n+ Bluetooth 4.0、LTEモジュール、NFCリーダー(セキュアエレメント対応)、MicroSDスロット、内側:1080p WEBカメラ、外側:8メガピクセル WEBカメラ(LEDフラッシュライト付)。

そのほか、拡張オプションの充実を図り、キーボードとUSB 2.0やSDカードスロットなどのインタフェースを備えた「HP ElitePadキーボードジャケット」(2万5,200円)、過酷な現場へ持ち込む際にも安心な「HP ElitePad ハンドル付きプロテクションケース」(8,400円)、各種タブレットを収納、充電することが可能な「HP マルチタブレット充電モジュールモジュール」(9万9,750円)も新たに販売される。

「HP ElitePad ハンドル付きプロテクションケース」

「HP マルチタブレット充電モジュールモジュール」

日本HP 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏

日本HP 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏は、「市場のトレンドはPCよりもタブレットだといわれており、実際にタブレットは伸びている。ただ、パフォーマンス、作る、加工するという意味ではPCも手放させないため、『PC+タブレット』ということで伸びている。 我々は伸びるところで事業を拡大していかないと将来がない。新しいビジネスの主戦場として、タブレットが出てきた。そのため、昨年の10月に「HP ElitePad 900」を発表したが、ユーザーからは、カッコいいデザイン、長時間利用、高速・快適さなどが、一方企業のIT部門からは、容易な導入、システム管理性、セキュリティ、拡張性、長期利用などが求められている。今日の製品がこれらを両立させるもので、新製品によりタブレットをビジネスで使いたいと思っている90%以上のユーサーの期待に応えることができる」と述べた。

日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部 本部長 九嶋俊一氏

また、日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部 本部長 九嶋俊一氏は、「『HP ElitePad 900』は、デザインと堅牢性を評価していただき、数10万台の導入を検討していただいている。昨年の10月にWi-Fiモデルをリリースしたが、お客様からはいつでもどこからでも安定して利用したいという要望があり、通信モジュールを内蔵した製品をリリースした。 厚さ9.2mmに日本の通信会社さんのモジュールを入れるのは難しく、日本で通信モジュールを独自に開発した。14カ月前から準備して今回の発表を迎え、感無量だ」と語った。