年に一度、アメリカで開催されている世界レベルの高校生向け科学コンテスト「Intel ISEF (Intel International Science and Engineering Fair : インテル国際科学技術フェア)」が5月12日~17日、アリゾナ州フェニックス・コンベンションセンターで開催中である。現地からの様子をレポートする。

「Intel ISEF」は、1950年に米国の非営利団体であるサイエンス・サービスが、ボランティアで運営を開始した。1997年にインテルがメインスポンサーとなり、それ以降、同社が行なう教育支援活動"Intel Innovation in Education Initiative"の一環として、資金や人的なバックアップなどの強力なサポートを継続して行ってきている。

今年は、世界70カ国で事前に開催された全433にも及ぶ提携フェアで選抜された1600人ものファイナリストたちが、アリゾナ州フェニックスに集結し、連日40度近くにまでなる砂漠地帯の気温の中、まさに"熱い"戦いを繰り広げている。

日本からは、昨年の「高校生科学技術チャレンジ(JSEC、朝日新聞社主催)」と「日本学生科学賞(読売新聞社主催)」 で、それぞれ上位入選した次の6つのプロジェクト、8人の高校生たちが参加している。

  • 化学部門
    高成壯磨 (北海道旭川東高等学校1年)
    「NaCl型ボルタ電池の正極反応」
  • 地球科学部門
    田中 堯 (千葉県立千葉高等学校1年)
    「微小貝は古環境指標として有用か -千葉県市原市瀬又から産出した微小貝化石について-」
  • 物理学・天文学部門
    佐藤友彦、四茂野貴大(広島県立府中高等学校2年、3年)
    「動く棒が水面に描く波模様の研究 ~「変形くさび型の成因」及び「波模様の数学的考察」~」
  • 動物科学部門
    村上大祐、田中千聡 (長崎県立長崎西高等学校2年)
    「ゾウミジンコの走性に関する研究」
  • コンピューター科学部門
    矢倉大夢 (灘高等学校1年)
    「Androidにおける機械学習を用いた新たなマルウェア検知システム」
  • 数学部門
    橘 智子 (津山工業高等専門学校3年)
    「複素ピタゴラス数の構造について」

※ 学年は、日本学生科学賞、JSEC受賞時のもの
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期間中、参加した高校生たちは、与えられたブース内に自らの研究結果を設営した上で、審査委員を前にプレゼンテーションを行なう機会を与えられる。日中は、研究テーマのプレゼン準備に追われるファイナリストたちだが、各国代表となった"お祝い"としてISEFでは、様々なウェルカムイベントやアクティビティが用意されており、皆、ご褒美旅行を兼ねたフェア参加を満喫している様子だ。

>> ISEF前半戦を写真で振り返る