矢野経済研究所は4月25日、国内のERPパッケージ市場に関する調査を実施しその結果を発表した。

本調査は、国内ERPパッケージベンダー23社に対して、同社専門研究員による直接面談により、2012年12月から2013年3月にかけ実施されたもの。この調査におけるERPパッケージとは、基幹業務管理パッケージのことで、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理など基幹業務データを統合する情報システムを構築するためのパッケージソフトウェアを指している。

ERPパッケージライセンス市場は、リーマンショックの影響で2009年にはいったん大きく落ち込み、その後も東日本大震災、タイの洪水の影響などもあり、2011年までは成長率は1ケタ台にとどまっていた。しかし、2012年の同市場は1,091億円(エンドユーザー渡し価格ベース)で、前年比12.6%増となり、2ケタ増の成長を示した。

ERP パッケージライセンス市場規模推移と予測 資料:矢野経済研究所

このことから、2012年には停滞期から脱し、再び本格的な成長トレンドに入ったと考えられ、老朽化したシステムのリプレイスや、事業の強化や業務プロセスの見直しを目的としたERPの新規導入などの案件が順調に増えており、市場は活性化しているという。

同社では、2013年の同市場は1,215億円(エンドユーザー渡し価格ベース)で、前年比11.3%増と予測。2013年は、景気が上向くことで、企業の投資は活性化し、ERPへの投資も順調に増加すると考えられるという。

また、海外拠点でのERP導入ニーズは、当面、同市場を牽引する要因となり、グローバル化した日系企業では、海外事業の強化やサプライチェーンの最適化のためにITを活用するという意識は高く、海外拠点へERPを導入したり、グローバル全体でERPを統合したりする動きが加速しているという。