NTTデータは、信用金庫における災害対策を目的とし「しんきん共同システム」の新たな接続形態の1つとして携帯電話回線による緊急回線「ResQ-NW(レスキューネットワーク)」を、宮城県、石巻信用金庫における4月10日の導入を皮切りに本格稼働を開始する。

「しんきん共同システム」では、信用金庫本部被災時に備え、信用金庫各営業店から固定回線を用いたバックアップ回線でバックアップセンターを経由し、勘定系システムと接続する環境を用意している。しかし、信用金庫本部被災時に、信用金庫各営業店のバックアップ回線またはバックアップ回線収容局にも被災があった場合、バックアップセンターへの接続ができなかった。

そこで、今回新たに「ResQ-NW」により、災害等によって信用金庫営業店と勘定系システム間の固定回線によるネットワークが不通となった際に、携帯電話回線を利用して通信経路を提供するシステムを提供する。これにより信用金庫は固定回線の復旧を待つことなく、迅速に窓口業務やATMによるオンライン業務を復旧させることが可能となる。

「ResQ-NW(レスキューネットワーク)」システム概要

NTTデータでは、災害時のBCPの重要性のニーズに応えるため、2011年から、固定回線切断時の追加接続手段となる、携帯電話回線を活用した新たな通信方式の検討をしんきん共同センターと開始、2012年6月から各信用金庫への提案を進めてきた。

「ResQ-NW」は、業務継続性の向上だけでなく、通常の固定回線と同様のセキュリティ対策を施しているため、情報漏えいを防ぎ、USB型携帯電話端末を活用する等、ハードウエア機器の価格を極力おさえたシステムとなっているため、低コストでの導入が可能。また、携帯電話回線利用料金についても、通常より安価な定額制メニューを用意し、運用時のコスト削減も実現。

さらに、持ち運びが可能な機器であるため、すべての店舗に常設せず、少ない導入台数で災害発生に備えることができ、携帯電話回線の特長を活かし、仮設店舗におけるオンライン業務用の回線として利用することも可能。

NTTデータでは、「ResQ-NW」を、信用金庫の業務継続性向上を実現する新たな災害対策手段として、広く普及を図っていく。