ブログで個人が情報を発信できるようになり、SNSの浸透で離れている友達とも常に近況を交換できるようになったが、ネットを通じたコミュニケーションの普及から新たな問題も生じている。その1つに死後の個人データの扱いがある。事故などで突然亡くなった場合、生前のデータがネットに残されたままになり、ネット上でしばらく存命であるように扱われることもある。そこでGoogleは「Inactive Account Manager」を用意した。ユーザーが亡くなったり、または使わなくなるなどして、アカウント利用の休止状態が続いた場合のデジタル資産の扱いを事前に設定できる。
Inactive Account Managerを使うには、まずタイムアウト期限 (3カ月、6カ月、9カ月、1年)を設定し、通知を受け取るための電話番号と予備のメールアドレス(オプション)、家族など信頼できる人(オプション)を登録する。信頼できる人とは、非アクティブアカウントのデータを共有するように設定することも可能。さらにアカウント削除のオプションも用意されている。
アカウントを使わない状態がユーザーの設定したタイムアウト期限に近づいたら、終了の1カ月前にユーザー本人に警告が送られる (テキストメッセージまたは予備メールアドレスへのメール送信)。タイムアウト期限が終了したら、登録した信頼できる人にアカウントが非アクティブであることが通知される。これらによって放置したまま忘れたアカウントに気づくことができ、またユーザーが突然亡くなった場合に、個人データを信頼できる人に委ねることも可能になる。共有するデータは製品 (Google+、Gmail、Blogger、Picasa Web Albums、Contacts、Drive、Reader、Voice、Latitude、3D Warehouse)ごとに選択でき、タイムアウト期限終了後に信頼できる人が共有設定されたデータをダウンロードできる期間は3カ月だ。
アカウント削除を有効にした場合、通知やデータ共有などユーザーが設定した全てのアクションが終了した後にアカウントが消去される。これを選択した場合、プライベートデータだけではなく、YouTubeやBlogger、Google+などで公開しているデータも削除される。