Analog Devices(ADI)は、消費電力を3.5mA以内に抑える必要がある産業用アプリケーション向けに、ループ電流給電に対応したHART(Highway Addressable Remote Transducer)通信を実現する動作確認済み実用回路(Circuits from the Lab)「CN0267」を発表した。

同回路は、同社の実用回路サポートチームにおいて、試験と検証を終えており、活用することにより産業用フィールド機器において、低消費電力かつ高精度のシグナルチェーンソリューションを小さな実装面積で実現できるようになるという。

すでにHARTコミュニケーション財団(HART Communication Foundation)における規格適合性試験(コンプライアンステスト)にも合格しており、認定を受けたHARTソリューションとして登録されている。

実際のデモボードは、同社が提供する低消費電力で高性能な3つのデバイスで構成されており、状態診断の通信機能や、さらに多くの測定/校正データの伝送など、システムの機能を追加することが可能となっている。実際のデモボードの面積は7cm×2.3cmで、ここにセンサと直接接続できるインタフェースや、マイクロプロセッサ、4~20mAループを介して双方向HART通信を実現する機能が搭載されている。

なお、価格はデモボード「DEMO-AD5700D2Z」が90ドル、「AD5421」が1000個以上受注時で5.55ドル、「AD5700」が4.45ドル、「ADuCM360」が1000個以上受注時で8.58ドルとなっている。

実用回路「CN0267」のイメージ