OKIは3月12日、映像配信システム「OKI MediaServer」を用いて、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)のIPTV標準(IPTV:Internet Protocol Television)を普及させるための活動の一環として、IPv6未構築国であるシンガポールとフィリピン2カ国に対するIPv6映像配信のほか、最先端IPTV関連技術を利用した4K(解像度4,096×2,160素子の次世代テレビフォーマットで現行ハイビジョンの4倍の解像度となるウルトラハイビジョン)映像の配信およびインターネット上のサービスと連携した、新しいIPTVアプリケーションの可能性を示す実験を実施し、成功したと発表した。

同実験は、2013年2月5日から7日までの3日間、情報通信研究機構(NICT)主催の「さっぽろ雪まつり映像配信実験」において行われ、HTB北海道テレビ(HTB)が開発したLIME(Light Weight Multimedia Enviroment:軽量対話型マルチメディア)標準仕様のコンテンツを「OKI MediaServer」で配信する映像配信実験環境「ITU IPTV IPv6 Global Testbed」(以下、テストベッド)を用いて実施された。

これまで配信を実施したスイスのITU-T本部およびアラブ首長国連邦ドバイに加え、今回新たにシンガポールとフィリピンに対し配信実験を行い、これまで接続不可能であったIPv6未構築国への配信に成功した。

映像配信実験環境 ITU IPTV IPv6 Global Testbed(テストベッド)構成図

IPv6未構築国であるフィリピンは、既設IPv4ネットワーク上にLinuxのIPv6 over IPv4機能(以下、トンネル機能)を用いて、IPv6ネットワークを構築し、札幌の本テストベッド側は、「OKI MediaServer」へ直接IPv4でハイビジョン品質の映像を配信する機能を実装し、接続不可能であった国・地域におけるIPv6映像配信の検証を実施。

JGN-Xが実験のために構築したOpenFlowのSDNであるRISによる4K映像配信を行うため、一端末につき120Mbpsの配信を2カ所(札幌から、シンガポールと大手町)の端末に向けて行い、MEDIAEDGEが開発した4Kエンコーダ製品の出力をIPTVのヘッドエンドに入力して同社の4Kデコーダ製品に向けて配信し、東芝製4 Kテレビで各拠点間での視聴検証を実施した。

同社では、今回の実験結果を踏まえ、テストベッドによるIPTVの普及対象範囲を、IPv6普及前の国・地域、既に導入しているが今後4Kなどさらに高画質化を検討する国・地域、アクセスビリティの向上やSNS連携など付加機能をもった映像サービスを検討している国・地域にも拡張していくとしている。