大日本印刷(DNP)は2月28日、POSデータを活用したマーケティングサービスを提供するアイディーズと、スーパーマーケットなどの小売向けのO2O(オンラインtoオフライン)サービス分野において協業することを発表した。

DNPは、電子チラシ配信サービス「オリコミーオ!」を運営しており、現在、10万人規模の会員が存在する。同サービスでは約8000店舗のネットチラシを配信するほか、レシピ紹介などの生活に役立つさまざまな情報を提供している。

オリコミーオ!のWebサイトイメージ

アイディーズは、食品スーパーを中心とした流通・小売業向けに、店舗の会員IDとPOSデータの購入履歴を結び付けた「ID-POS情報の集計・分析システム」の開発・提供や、販促コンサルティングサービスなどを行う企業。今回両社は、より効果的な小売向けO2Oサービスの提供に向けて協業し、購買履歴などの会員データとオリコミーオ!を組み合わせた来店促進サービスを展開する。

両社は今後の事業の例として、スーパーマーケットやドラッグストア、各種量販店などのポイントカード会員向けに、商品の特売情報やサービスの割引情報などをメールマガジンで配信することを挙げている。

このメールマガジンは会員ひとりひとりの購買履歴をもとに生成され、オリコミーオ!経由でクーポンを入手できるURLなども記載される。メールマガジンを受け取った会員がオリコミーオ!経由で入手したクーポンを店頭で利用することで、メールマガジン情報、オリコミーオ!、会員の行動の3つが結びつき、小売側が来店誘導施策の効果を把握できる仕組みになっている。

提供サービスのイメージ

両社は2月24日から、愛知 / 三重 / 岐阜の3県で67店舗をチェーン展開する食品スーパー「ヤマナカ」で同サービスの実証実験を進めている。実証実験の期間は約半年間の予定で、実証実験の終了後は、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売企業を中心に同サービスを提供し、2015年度までに10億円の売上を目指すとしている。