イグアス 代表取締役社長の矢花達也氏

イグアスは1月10日、ソーシャルコミュニケーションサービス「Sococo Team Space」を提供する米Social Communication Companyとの間で、同社サービスの国内提供に関する総販売代理店契約を締結したと発表した。

Sococo Team Spaceは、Web会議、電話、ビデオチャット、テキストチャット、プレゼンスなどの機能を備えたSaaS型のコミュニケーションプラットフォーム。「仮想オフィス空間」と呼ばれる現実のオフィスを模した画面が用意されるなど、UIに大きな特徴がある。

Sococo Team Spaceでは、サービス利用開始時に導入企業が専用の仮想オフィス空間を開設するかたちになる。従業員は、この仮想オフィスにログインして入室することで、他のメンバーが遠隔地にいる場合でも、疑似的に一堂に会することができるようになる。

Sococo Team Spaceの仮想オフィス空間。オフィスのレイアウトは導入企業が自由に変更できる

仮想オフィス空間内では、他の従業員の個室を訪れたり、会議室に移動したりと、現実の世界に近いかたちでコミュニケーションをとる。同じ部屋に集まっているメンバーであれば、全員で音声会話ができるほか、個室や会議室に設置されたホワイトボードをクリックすれば、参加者が同じ資料を閲覧できるようになる。

Sococo Team SpaceのWeb会議画面。画面中央に資料が共有されている。画面右上が会議室の様子。この画面では、会議参加者とは別のユーザーとIP電話で会話している(画面下方の紫色のアイコンが表示された小さいウィンドウ)。

また、Sococo Team Spaceには、取引先など、社外のメンバーを招待する機能も搭載されている。ただし、外部のメンバーは、直接入出することができず、ロビーで待機して入室が許可されるのを待つことになる。加えて、各部屋には入口のドアを開閉する機能が搭載されており、開いているときはだれでも入室が可能、閉じているときはノックして許可された場合のみ入室できる仕組みになっている。

ロビーで待機している様子。ロビーでも会話はできる

なお、テキストチャットであれば、仮想オフィス空間上の居場所に関わらず、誰とでもコミュニケーションが可能。また、IP電話に関しては、相手がSococo Team Spaceユーザーでなくても任意の電話番号にかけられる。

テキストチャット中の画面(画面右端のウィンドウ)

発表会にSococo Team Space経由で参加したユーザー企業からは、「当社は在宅勤務者が多いうえ、出張で国内各地を飛び回ることが多いが、朝になると各従業員がSococo Team Space上に"出勤"してくる。従業員全員のプレゼンスがわかるので便利」といった声が挙がったほか、富山県に本社を構えるアルケー情報 代表取締役の千葉祐基氏は「当社は、自社の従業員だけでなく、顧客に対してもSococo Team Space上でコミュニケーションをとっている。既存顧客に対して提案を行ったり、全国からの問い合わせに応えたりしており、遠地まで出張しなくても営業活動が進められている。さらに言えば、Sococo Team Spaceであれば、アポイントメントをとらなくても、ふらっと顔出しできる。新しい営業スタイルが確立されつつある」と利点を語った。

Sococo Team Spaceは、1ユーザー月額2500円~(契約は1年単位)。クライアントアプリケーションは現在、WindowsとMac OS X向けに提供されているが、間もなくiPad版もリリース予定という。イグアスでは、2013年度に3000ユーザーという目標を掲げている。