マカフィーは、サイバー犯罪の現状を分析した2012年第3四半期の脅威レポート(PDF)を公開している。同社は第3四半期の主要事項として、金融詐欺組織の活動範囲が拡大したことや、ランサムウェアの流行、データベースに登録されたマルウェアサンプル数が1億件を超えたことなどを挙げている。

第3四半期はオンライン金融詐欺が世界各地で発生し、その範囲はヨーロッパだけでなく北米やコロンビアに広がっているという。サイバー犯罪者は、ヨーロッパの金融機関を攻撃する際に用いた自動送金システム(ATS)を使い、米国の大手金融機関にも攻撃を仕掛けているという。

また、今期はユーザーを脅迫して金銭を奪い取るランサムウェアの数が43%増加した。ランサムウェアは、メールやソーシャルネットワークのリンクなどを介してデバイスに感染するマルウェアで、コンピューターをロックするとユーザーを脅し、ロック解除と引き換えに金銭を要求する。この攻撃手法は現在急増しており、大きな脅威になっている。

検出されたランサムウェアのサンプル数(発表資料より)

モバイル端末を対象としたマルウェアも約2倍に増えており、第3四半期は、同社のデータベースに登録されたマルウェアの件数が1億件を突破。最も狙われたプラットフォームはAndroidとなっている。

また、2012年度のデータ漏えいの件数は、12月現時点で、2011年度全体の数字をすでに上回っているという。

データベースに登録されたマルウェアの合計数(発表資料より)