IDC Japanは11月1日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場の2012年上半期(1月から6月)市場動向を調査し、同市場の分析と2012年から2016年の予測アップデートを発表した。
同社では、ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーション市場を、「IPテレフォニー市場」、「コラボレーティブアプリケーション市場」、「IPコンファレンスシステム市場」、「IPコンタクトセンターシステム市場」の4つのソリューション市場に分類して、それぞれの市場について個別に調査/市場予測を行っている。
同市場分類にて、2012年上半期の国内UC/コラボレーション市場規模は、前年同期比4.4%増の1,022億1,700万円となり、半期で1,000億円を超える規模になった。同社では、2012年前半は円高/欧州金融不安などによる不安定な経済状況などの影響で、ユーザー企業のIT支出マインドは昨年と大きく変化なく、同市場は緩やかな前年比増で推移すると予測していた。
しかし、本年9月までに行ったベンダー/システムインテグレーターへの調査の結果、大企業ユーザーでの音声プラットフォームがリプレイス期に入り、IPテレフォニー市場が前年同期比5.9%増と大幅に成長。また、IPコンファレンスシステム市場/IPコンタクトセンターシステム市場などの特定ソリューションセグメントでは、ビデオ会議システム/Web会議サービスの成長や、コンタクトセンターサービス需要の増大によって、UC/コラボレーション市場全体が堅調に成長していることが判明した。
IDC Japanでは、上記の調査結果から、2012年の国内UC/コラボレーション市場は1,977億6,700万円となり、前年比4.3%の成長になると予測している。また、同市場は2011年から2016年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)3.3%で拡大し、2016年には2,234億7,300万円の規模になると予測している。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの眞鍋敬氏は「ベンダー/通信事業者は、ユーザー企業のコラボレーション効率化に目を向けることが重要で、各ソリューションセグメントでのモバイル/ソーシャル/SaaSなどの成長分野にリソースシフトすることが必要である」と分析している。