大日本印刷(以下、DNP)は10月15日、デジタルサイネージ(電子看板)を活用して、豊富なカラーバリエーションを持つ衣類をディスプレー上で楽しみながら試着できる「バーチャル試着システム」を開発した。

このシステムは、ユニクロが2012年10月5日にオープンしたサンフランシスコ店で、来店した顧客が自分に合った商品を楽しく気軽に選べる環境を提供したいというニーズを受けて開発したもので、「UNIQLO MAGIC MIRROR」として店内に2台設置し、運用を開始した。

「バーチャル試着システム」は、60インチの大型ディスプレーとタブレット端末、カメラで構成され、AR(拡張現実)の技術を活用している。豊富なカラーバリエーションを持つ衣類を1つひとつ着ることなく、簡単な操作でバーチャルに試着できる。

この大型ディスプレイは、通常は鏡として使用し、システム利用時に画像を表示するハーフミラーとなっている。

当システムは、AR技術によって、衣類の色からジャケットやフリースなどの商品の種類を識別する。来店者が試着用の商品を着て鏡の前に立ち、鏡の横に設置したタブレット端末で希望の色を指定することで、その場で気軽にカラーバリエーションを楽しむことができる。

「バーチャル試着システム」サービスイメージ

カメラで撮影した来店者の試着姿を、60インチ縦型ディスプレイにリアルタイムで表示する。タブレット端末で、試着した商品の他のカラーバリエーションを選択すると、ディスプレーに映った自分が着ている衣類の色が変化する。

60インチ縦型ディスプレイ

試着対象商品は「プレミアムダウンウルトラライトジャケット(MEN:12カラー、WOMEN:8カラー)」、「フリース(MEN:25カラー、WOMEN:25カラー)」。

試着用の商品を着て端末を操作するだけで、豊富なカラーバリエーションを簡単に試すことができ、具体的に似合う色をイメージがしやすくなるため、商品購入へとつなげる効果が期待できる。AR技術で識別用のマーカーをカメラで読み取り、関連する情報をディスプレーに表示する従来の方法では、商品情報を個別に登録する負荷が高くなりますが、色の違いから衣類の種類を認識する今回の方式は、試着アイテムの追加が比較的容易にできる。

タブレット端末のメニューには、バーチャルに試着して気に入った自分の姿を撮影し、その画像をメールで送ったり、SNSに投稿できる機能がある。