CA Technologiesは9月21日、日本市場に初投入するサービス仮想化ソリューション「CA LISA」を発表した。10月17日より出荷が開始される。
「CA LISA」は、CA Technologiesが2011年6月に買収したInteractive TKO(ITKO社)のサービス仮想化ソリューション。接続先システムの振る舞いを仮想化(サービスを仮想化)することで、テスト工程における「制約」を低減し、アプリケーション開発の「Shift Left(工程短縮)」「コスト削減」「品質向上」を実現する。
一般的なアプリケーション開発ライフサイクルにおいては、「連携先システムの利用時間の制約などにより、充分な連携テストが行えない」、「連携先システムが未完成のため、結合テストに待ち時間が発生する」、「クラウドなど従量課金ベースの外部サービスとの連携テストが充分に行えない」のような制約がテスト工程の生産性を阻害している。
「CA LISA」は、これらテストの際に必要な外部システムとの連携部分を仮想的に実現し、テスト工程での生産性向上を助けるソリューション。
具体的には、連携先システムとのリクエスト/レスポンス通信の内容をキャプチャし、記録することで、テストに必要な仮想サービスを自動的に生成する。通常、キャプチャする時間は30分程度だという。
また、この時間内にすべてのテストパターンに必要なデータをキャプチャできなくても、1つのパターンから内容の異なる複数のデータを生成できるため、様々なテストシナリオをカバーできるほか、個人情報が含まれている場合は、その部分を除いてキャプチャし、別のデータに置き換えることもできるという。
さらに、連携先システムが未完成の場合などライブトラフィックのキャプチャができない場合、WSDL(Web Service Definition Language)やサーバのトラフィックログ、仕様書等から静的に仮想サービスを生成することもできる。
そのほか、仮想サービス生成後に、オリジナルのシステムやサービスの仕様変更が発生した場合でも、セルフヒーリング機能により仮想サービスとオリジナルとの差異を自動的に検出し、修正できるという。
対応の環境はWindows 7およびRedhat Linux。基本価格は4,680万円からだが、2013年3月31日まではキャンペーン価格として2,925万円から提供される。
ITKO社の創立者で、現在CA TechnologiesのCTOを務めるジョン・マイケルセン氏は、「LISAはアプリケーションの開発およびテストを目的に開発された製品だ。現在、アプリケーションのかなりの部分はお客様に接している。これらのシステムはレガシーシステムと統合され、複合化されている。使われているテクノロジーのコンポーネントも非常に多く、そのためテスト用のコストが予算を超えてしまうというリスクを抱えている。開発の鍵は、自分たちのコントロールの外にある制約を排除することだ。しかし、顧客の職務の遂行を妨げる制約に関してはどうすることもできない。解決策はモデリングとシミュレーションだ」と述べた。
また、同氏は、LISAを使うことで、工期短縮、コスト削減に効果があるだけなく、本番環境でのテストを十分に行える環境を整えることで、品質向上に大きく貢献するとした。
なお、日本ではオンプレミス環境向けの提供だが、海外ではSaaSサービスとしても展開されており、今後日本でもサービスとして提供することも検討していくという。