Mentor Graphicsは7月17日、1次元(1D)と3次元(3D)を組み合わせた独自の汎用CFD(数値流体力学)ソフトウェア・ソリューションを発表した。

自動車や航空、石油、ガス、電力、エネルギー産業では、1Dおよび3DのCFDソフトウェアを利用している。複雑なシステムを設計する際、3D CFDを利用すると非常に正確な結果を得られるが、使用するモデルによっては、膨大な演算処理が問題となる。これを回避するために1D CFDを利用すると、スピードは向上するものの、コンポーネントを正確に特性評価するために大量のデータが必要となる場合がある。また、1D CFDシステム解析をスムーズに実行するためにはコンポーネントを記述するデータが必要となる。これまで、高レベルの正確性を備えた設計を実現するプロセスは、様々な推測に基づく煩雑なものだった。

今回の製品は、同社のコンカレントCFD技術を採用したFloEFDの3Dシミュレーションと、今年初頭に買収したFlowmaster Groupの1Dシミュレーションをソースコードから統合し、双方がネイティブに動作するよう緊密に結合させることで実現した。ソフトウェアでは、システム内の複雑なコンポーネントを3Dで特性評価し、これらのコンポーネント特性をシステムレベルの1Dモデルに挿入してシミュレーションを実行する。

これにより、設計プロセスをさらにスピードアップさせるとともに、コンポーネントレベルの3Dシミュレーションを使った流体解析と熱伝達データに基づいた正確なシステム解析をプロセス開始時点から実行でき、より高い品質と競争力を備えた製品を、より迅速に市場投入することができるという。

1D-3Dシミュレーション製品ファミリは、今年後半に出荷開始の予定。