アライド・ブレインズは7月3日、府省庁、国会、裁判所など公的機関のホームページ49サイトを対象としたWebアクセシビリティ対応状況の調査結果を発表した。同調査は5月22日~6月4日に実施されたもので、同社の開発した「全ページJIS検証プログラムAion (アイオン)」により、対象サイトの全ページについてJIS規格対応を検証している。

Webアクセシビリティとは「高齢者や障害者など心身の機能に制約のある人でも、年齢的・身体的条件に関わらず、Webで提供されている情報にアクセスして利用できること」を意味する。2010年8月に、Webアクセシビリティのガイドラインとなる「JIS X 8341-3:2010」が改正公示され、昨年4月には総務省が「みんなの公共サイト運用モデル(2010年度改定版)」を公開した。公共機関のホームページは2013年度末までにJIS規格の達成等級A、2014年度末までに達成等級AAに準拠することが求められている。

発表内容によると、調査したホームページのうち、平均56.5%のページでJIS規格の達成等級Aの対応に問題があり、「問題あり」のページが1万ページ以上にのぼるWebサイトが21サイトあったという。

また、達成等級Aに該当する25の達成基準のうち、「ページの言語に関する達成基準」と「非テキストコンテンツに関する達成基準」の2項目は、「問題あり」とされたページの割合が特に高くなっている。

ページの言語に関する達成基準に関しては「音声読み上げソフトやブラウザが正しく動作するために必要となる、ページ内で主に使用している言語の指定がない」といったケースで「問題あり」となる。また、非テキストコンテンツに関する達成基準に関しては、「音声読み上げソフトの利用者に画像の内容を伝えるための代替テキストがない」場合などに「問題あり」となる。

達成等級Aの達成基準別「問題あり」のページ割合(上位10位)

今回、調査対象になったのは、日本政府の情報ポータルサイト「e-Gov(イーガブ)」に掲載されている下図49団体のホームページ。各団体のホームページからリンクされている地方支部局や独立行政法人などの関連サイトは対象外。

調査対象団体