警察庁は3月15日、2011年における不正アクセス行為の発生状況を公表した。発表内容によれば、2011年中の不正アクセス行為などの認知件数は889件。

889件の認知件数のうち、検挙された件数は248件で、検挙事件数は103件、検挙人員は114人だった。前年と比較すると、認知件数は996件減、検挙件数は1,353件減と大幅に減少している。

4項目すべて2010年(平成22年)の数字を下回っている

不正アクセスに必要なパスワードなどの入手手口については、フィッシングサイトによるものが59件、パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだものが59件、機密情報を知り得る立場にあった知人などによるものが52件などとなっている。上記3つが検挙件数全体の7割を占め、スパイウェアを使用する、セキュリティホールを狙う、といった手口はそれぞれ0.4%だった。

不注意が原因で被害に遭うケースも多い

また、不正アクセス後の行為については、「オンラインゲームの不正操作」が358件と最も多く、認知件数全体の40.3%を占める。次いで「インターネットバンキングの不正送金」が188件、「インターネットショッピングの不正購入」が172件。オンラインゲーム、ネットバンキング、インターネットショッピング関連の不正行為が全体の8割以上を占めている。また、クレジットカード番号などの個人情報を盗む「情報の不正入手」は74件で、全体の8.3%だった。

インターネットの利用者が不正アクセスの被害に遭わないための注意事項としては、「個人情報の慎重な取扱い」「推測されにくいパスワードの利用」「ウイルス対策ソフトウェアの適切な使用」の3点が挙げられている。