島津製作所は、粒子の大きさと分布を測定するレーザ回折式粒子径分布測定装置の新製品「SALD-2300」を発売したことを発表した。

原材料粉体の粒子径分布は、医薬品、化粧品、食品、二次電池などの最終製品の性能・機能に大きく影響することがわかっており、粒子径分布を正確に測定することが重要となっている。その際、粒子径分布は希釈や濃縮によって変化してしまうため、希釈や濃縮をせず、実際に使用される状態で測定することが必要とされている。

同社では測定ニーズが多様な分野・領域に広がる中で、測定範囲を大幅に拡大し、高性能・高機能な測定を簡便に行える装置を開発した。

同製品では、新センサの採用とサンプラ機能の強化により、測定粒子径範囲を従来製品の30nm~1000μmから17nm~2500μmに拡大した。これにより、例えば平均粒子径50nmのポリスチレンラテックス粒子から直径2mmのステンレスボールまで1台の装置で測定でき、汎用性が大きく広がった。

また、散乱光検出系の感度アップとオプションの利用による同社従来比10倍の高感度化を実現し、たことで、0.1ppmの低濃度から最大200,000ppmの高濃度サンプルの測定が可能になった。従来のレーザ回折式粒子径分布測定では10ppmから100ppmが対象濃度だったが、これを大きく拡大することで新しい測定対象や目的に対応できるようになる。たとえば、医薬品の溶解プロセスを、すべての粒子が溶けてしまう直前まで、粒子径分布の変化として観察することができる。

従来のレーザ回折式粒子径分布測定では10秒から30秒の測定時間を必要とするため、粒子径分布が変化しないことを前提に測定が行われてきた。しかし分散・凝集・溶解などの化学における基本的なプロセスを評価するためには、粒子径分布の時間的変化の測定はきわめて重要となる。そこで同製品では最短1秒間隔での高速連続測定を実現することにより、粒子径分布の変化をリアルタイムで連続測定することも可能にした。

同製品のシステム価格は60万円からで、3月12日より販売を開始している。初年度の販売台数は100台を予定している。

レーザ回折式粒子径分布測定装置「SALD-2300」の製品写真