NECは3月8日、データセンター向け1Uサーバが発生する熱を効率よく冷却する技術を開発したと発表した。この技術は、従来の空冷方式に比べ、1Uサーバの冷却電力を60%以上削減する。

開発された技術は、冷媒が液体から期待に変化する際に熱エネルギーが移動する性質を利用した相変化冷却を応用したもの。

相変化冷却の特徴

同社はこの技術を1Uサーバへ適用するため、高低差がなくても冷媒が巡回する薄型の相変化冷却モジュールを開発。また、CPUの熱を効率よく輸送するフィン構造を開発し、体積当たりの熱輸送量が増える気液二相流での冷媒循環を実現。この手法は、ノートPCなどによく利用されているヒートパイプに比べ、数倍の熱輸送量になる。さらに、サーバ全体の送風量を削減しつつ、機器内の部品を効率的に冷却可能なエアダクト構造を開発。

これらの技術により、1Uサーバの冷却に必要な電力が従来の空冷方式と比べて60%以上削減し、結果として、データセンター全体の消費電力の約半分を占めるIT機器の冷却電力の20%以上の削減が可能になる。