KDDIとKDDI研究所は2月14日、KDDI研究所が開発した高速ストリーム暗号アルゴリズム「KCipher-2 (ケーサイファー・ツー)」が、ストリーム暗号の標準規格ISO(国際標準化機構) 18033-4の最終承認を経て、国際標準規格として採用されたことを発表した。KCipher-2は、KDDI研究所と九州大学が共同で設計し、KDDI研究所が商用化したもの。

ストリーム暗号とは入力データをビット単位ごとに暗号化・復号化する方式。暗号化と複合化の処理が同一となるため、実装コストが小さいといった特徴があり、携帯電話のGSM通信の暗号化やSSL暗号通信に採用されるなど、実用的なアルゴリズムとして古くから利用されている。

KCipher-2では、携帯電話など小型で処理能力に限りのある機器や、大容量データの高速処理向けに開発されており、共通鍵暗号方式が用いられている。同社によると、同じ共通鍵暗号方式で米国標準となっているAESと比べ、最大10倍の速度で暗号化・復号化が実現できるという。

KDDIとKDDI研究所は今後、KCipher-2を携帯電話やICカードなどの限られたリソースで多くの処理を求められる分野や、マルチメディアコンテンツの配信をはじめとする大容量データを扱う分野を中心に展開していく計画としている。