IHIと三井ホームは2月8日、ケーブルに触らずに充電できる非接触給電装置を搭載した電気自動車を戸建住宅において充電する装置の実用化に向けた研究開発に共同で取り組むと発表した。

IHIは2011年より、電気自動車向け非接触給電技術の開発に着手。電気自動車のさまざまな車種や蓄電池に適合可能な非接触給電装置の車載側(受電)、地上側(送電)の装置の開発を進めるため、独自で受電装置を搭載した試験用の電気自動車を製作・テストを開始している。

非接触給電とは、離れて置かれた送電装置と受電装置の間で電力を伝えられる技術であり、ケーブルを引き回したり、コンセントの抜き差しが不要。IHIで開発中の非接触給電は、共鳴を利用して送電装置と受電装置が離れていても電力を送れる磁界共鳴方式であり、3kWを超える電力を20cm離れて効率90%以上で送電可能なことが実証されている。この技術を用いることで、利用者がケーブルを接続することなく電気自動車への充電が可能になる。

非接触給電評価機(出力3.3kW)

試験用電気自動車

三井ホームは、今回の取り組みを戸建住宅における宅内インフラの基準づくりや、太陽光発電システムや家庭用蓄電池と協調するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)制御等の分野で研究を行い、自動車側からの送電・受電を含めた双方向の効率的な電力供給システムの開発につなげたいとしている。