NECは1月25日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発し、2010年6月に地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の後継プロジェクトとなる「はやぶさ2プロジェクト」における探査機システムの設計に着手することを発表した。

「はやぶさ」後継機は2014年度の打ち上げが予定されており、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質の解明を目的にC型小惑星「1999 JU3」を目指すというプロジェクト。C型小惑星は「はやぶさ」が挑んだS型小惑星「イトカワ」と比べるとより始原的な天体で、同じ岩石質の小惑星でありながら有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられているため、地球を構成する鉱物、海の水、生命の原材料物質などがどのように太陽系空間に存在していたのかなどが解明できるのではないかと期待されている。打ち上げ後の計画は、小惑星「1999 JU3」への到着は2018年半ば、地球帰還は2020年末をそれぞれ予定している。

同社は探査機システムの設計を担当するほか、Kaバンド通信や中間赤外カメラなとのミッション機器の設計なども担当する予定だ。

なお、「はやぶさ」後継機の概要は以下のとおり

  • 打ち上げロケット:H-IIA
  • 探査機質量:600kg(燃料搭載時)/475kg(DRY質量)
  • 発生電力:ミッション時1000W/地球帰還時2000W
  • 太陽電池パドル:3パネル×2翼(H字型)
  • 本体形状:箱型(1m×1.6m×1.4m)(はやぶさは1m×1.6m×1.1m)
  • 姿勢制御:3軸モーメンタム姿勢制御方式
  • 軌道:惑星間軌道

はやぶさ2のイメージ((C)JAXA/池下章裕)