IDC Japanは26日、2011年第3四半期(7~9月期)の国内レーザープリンタ市場に関する実績を発表した。それによると、国内レーザープリンタ全体の出荷台数は、前年同期比7.8%増の226,000台となり、そのうち、カラーレーザープリンタの出荷台数は、前年同期比12.4%増の68,000台となり、2011年第2四半期から一転、大きな増加を記録した。
国内レーザープリンタの出荷台数は、米金融機関の破綻に端を発した国内景況の悪化からの回復により2010年第1四半期(1~3月期)以降、2010年第4四半期(10~12月期)まで増加を続けていたが、2011年第1四半期から2011第2四半期(4~6月期)にかけては東日本大震災の影響もあり、減少へと転じた。2011年第3四半期は、その影響から脱し、大幅な増加を記録している。
IDCでは、大型案件の影響は薄れるものの2011年第4四半期以降についても、低価格な新製品による下支え効果は当分の間継続すると考えており、IDC Japan ハードコピー・ペリフェラル&デジタル・イメージング リサーチマネージャーの坂田信之氏は、「レーザープリンタは大震災の影響がなくなり、モノクロレーザープリンタの出荷が堅調であったことも手伝って、大幅な増加となった。足元の需要はモノクロレーザープリンタの状況から、悪化している感はない。しかしながら大幅な国内需要の増加は円高や欧州経済の不透明感から望みにくく、2011年全体では2010年の出荷台数に近づくものの、上回るまでには至らないことが予測される」と述べている。
国内レーザーMFP市場は微増
同社では、国内レーザーMFP市場に関する2011年第3四半期(7~9月期)の実績も同時に発表し、それによると、レーザーMFP全体の出荷台数は、前年同期比2.0%増の159,000台で、微増となった。
国内レーザーMFPの出荷台数は、レーザープリンタ同様、東日本大震災の影響を受けて、2011年第1四半期(1~3月期)は前年同期比4.0%減となったが、2011年第2四半期からは大震災の影響から立ち直りを見せており、2011年第3四半期も前年同期比で増加となっている。
IDCでは、大震災の影響を払しょくすべくコピアベンダー各社が半期末商戦に力を入れたことが、前年同期比で小幅ながら増加につながったと分析している。
坂田氏は「今四半期は、一部のベンダーにあった震災の影響がなくなり、生産が全面的に回復したこともあって、前年同期比で増加となった。大震災の影響は克服されたとみられる。欧州の不安定な景況と円高などの影響が懸念されるものの、ベンダー各社から新製品が出てくることもあり、レーザーMFPの2011年全体の出荷台数は、2010年のそれを若干ながら上回る可能性がある」と述べている。