エプソンは、40万ページの耐久性を持つA4カラーページプリンタ「LP-S820」、および複合機「LP-M720F」を10月下旬(「LP-M720F」は12月)より発売すると発表した。価格はオープンで、市場予想価格は、「LP-S820」が89,980円、「LP-M720F」が99,980円。

「LP-S820」

「LP-M720F」

新商品はいずれも、高速・高耐久・省スペースを特徴としており、企業の部門、カウンタ・受付業務、小売業のバックヤード、病院、大学の研究室などを利用用途として想定している。省スペースでは特に、すわったまま紙が取り出せるようにするため本体の高さにこだわったといい、従来機に比べ、「LP-S820」は94mm、「LP-M720F」は177mm高さを抑えたという。

従来機種と比較した場合の体積比は、「LP-S820」で94%、「LP-M720F」で85%

いずれも、従来機比2倍の40万ページの耐久性を持ち、PostScript 3出力、自動両面印刷に標準で対応するほか、IPv6対応のギガビット有線LANを備える(ほかにUSBもある)。印刷スピードは、、カラー・モノクロともに「LP-S820」が30枚/分、「LP-M720F」は24枚/分。印刷解像度はどちらも600dpiだ。

「LP-S820」は、病院等で多用するA6サイズ用紙に対応するほか、用紙送りのカーブを緩やかにすることで、210g/平方メートルまでの厚紙にも対応する。用紙トレイは手差し100枚とトレイ250枚。外形寸法/重量は、W446.5×D558.0×H490.0mm/32.2kg。

Rを緩くし、厚紙にも対応

「LP-M720F」は、プリント、コピー、スキャン、FAX機能を持つ複合機で、最大35枚のADFを装備(自動両面スキャンは非対応)。読み取り解像度は、150/300/600/1,200/2,400/4,800dpi。また、カラー・モノクロの選択や両面印刷といったよく使う設定項目をプリンタドライバ画面で好きなように配置できる「Myタブ」機能を持つ。用紙トレイは手差し100枚とトレイ250枚。外形寸法/重量は、W444.0×D531.0×H345.0mm/26.8kg。

「LP-M720F」の操作部

「LP-S820」の操作部

「LP-M720F」のトナー。1つでブラックは6,300ページ、カラーは6,400ページの印刷が可能

「LP-S820」のトナー

エプソン LP事業推進部 部長の山崎英雄氏

両機種は、21枚/枚以上のA4カラーページプリンタでは、同社初の製品。エプソンでは7月以降、ビジネス系プリンタを数多く発表しており、ラインナップの強化を図っている。特にA4機の拡充を図り、これまで同社が提供してこなかったセグメントに対して新商品を投入している。

エプソン LP事業推進部 部長の山崎英雄氏は、「さらなる伸長が見込めるA4カテゴリでフルラインナップを展開し、シェア、売り上げの拡大を図りたい」と語る。

A4カテゴリでフルラインナップを展開し、シェア、売り上げ拡大を狙う

エプソン販売 LP・BIJ MD部 部長 鈴村文徳氏

市場のA4カテゴリが伸びている理由として、エプソン販売 LP・BIJ MD部 部長の鈴村文徳氏は、

・高速/高耐久商品はこれまでA3機が主流で、ユーザーは仕方なくA3機を選択していた
・文教市場を中心に、B4からA4へのシフトが進んでおり、A3機のニーズが低下した
・MFP機への集中、デスクサイドへの分散でA4の利用シーンが増加した

の3点を挙げた。

鈴村氏は、新商品の投入により、A4ページプリンタのシェアは6月の15%以下から、一部未発売の機種がありながら9月には20%に上昇しており、2011年度の目標値である30%に近いところまでいくのではないかと思っていると述べた。

A4ビジネスプリンタの販売目標