米Adobe Systemsは10月3日、フォントサービスの米TypeKitを買収したことを発表した。同時に、アプリ開発技術を開発するカナダNitobi Softwareと買収合意に至ったことも明らかにした。
TypeKitはフォント開発とフォントのホスティングサービス事業を展開するベンチャー企業。数百単位のフォントライブラリを持ち、ブログやWebサイトで利用できる。Web経由のサービスとして提供することで、ブラウザ、デバイスの互換性問題を解消する。New York Times、Vanity Fair、New Yorkerなどのパブリケーションが採用しており、WordPress.comなどはプラットフォームに統合している。
Adobeは同社を取得し、同日発表したクリエイター向けのクラウドサービス「Creative Cloud」を強化する。なお、TypeKitは買収後も、スタンドアロン事業としてホスティングサービスを継続する予定だ。
また、併せて買収合意したNitobiは、モバイルおよびWebアプリケーション開発技術ベンダー。Flash、Flex、AIRなどのAdobeの技術、Ajax、Rubyなどを得意とし、オープンソースのモバイル向けWebアプリケーションツール「PhoneGap」などのプロジェクトを持つ。PhoneGapはすでに「Dreamweaver CS5.5」との連携が可能で、買収後はAIRなど、Adobeの開発者向け技術を補完することになるという。
なお、PhoneGapについては数日前、非営利のオープンソース団体Apache Software Foundationに寄贈する計画が発表されており、Adobeもこの計画を支持しているという。