コスト削減の救世主「チャット機能」

RightNow CXのWebエクスペリエンスには、もう1つ注目される機能がある。それは、顧客とリアルタイムに対話ができるチャット機能だ。

チャットというと、国内では企業の顧客サポート向けの機能という印象があまりないかもしれない。しかし、桑野氏によると、「米国では既に顧客サポートの主要なチャネルになっており、顧客満足度とコスト削減の観点による導入効果も絶大」という。

OverStock.comのヘルプ画面。時間が経つと自動的にチャットの呼びかけが行われる。同社ではこのシステムを導入してから、顧客満足度が大幅に向上した。

チャットを使うと、顧客に対してリアルタイムに回答を提示できるうえ、1人のオペレータで同時に3~4人程度まで相手にすることが可能。

さらに、メールと比べても、不明な点があればその場ですぐに問い合わせができるという即時解決のメリットがある。運用コストが低く、顧客満足度が高い、優れたソリューションツールなのだという。

加えて、RightNow CXには、設定した条件に従ってサイト運営者側からユーザーに能動的にサポートを提案する機能も用意されている。これにより、「例えばヘルプサイトで5分以上情報を見つけられないユーザーに対して『何かお困りですか?』と自動的に尋ねることができるし、ログイン画面で困っているユーザーに対してその場で即時解決を図ることが出来る。また弊社のナレッジを活用することによりサービスレベルの均一化も図れる」(桑野氏)。PCの前で困っているユーザーにしたら、感動ものだろう。

こうした特徴から、米国では現在もチャット機能の導入サイトが増え続けている。コールセンターでも待機中に流す自動音声でWebサイトの訪問を促し、オペレータの人数削減を実現している企業も多数あるようだ。

 まずは小さく始めて効果を確認しながら拡げていく

さて、先ほど、導入事例として楽天を紹介したが、RightNow CXはほかにも、グリー、リコー、ソニー・コンピュータエンタテインメント、大和証券、エキサイト、パナソニック電工、富士通、バッファローなどで採用されている。国内での導入実績は100社強。グローバルでは2000社にも及ぶという。

このように導入企業が増えている理由としては、上記の機能群以外にもう1つ、導入の容易さがあるという。

「RightNow CXには、顧客満足度向上とコスト削減を同時に実現するための8つのステップによる導入の方法論がある。 従来のソフトウエアとの違いは数週間という短期間で導入ができ、しかもその効果も数値で確認が出来る。また、効果が出なければ解約が出来るというクラウドサービスのメリットを活かした契約形態も弊社の強みである」(桑野氏)

また、ライトナウ・テクノロジーズでは、導入企業に対するコンサルティングも行っている。コールセンターを始めとした企業の顧客対応のオペレーションも含めた改善を図ることも可能だ。

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スペースの都合上ここでは触れられなかったが、RightNow CXには先述のとおり、コールセンターのオペレータをサポートする「コンタクトセンター・エクスペリエンス」や、ソーシャルメディア上の評判を分析して、プロアクティブなフォローを促す「ソーシャル・エクスペリエンス」なども提供されている。これらを通じて、総合的に顧客サポートシステムを構築することが可能だ。

製品全体の概要については同社のWebサイトに掲載されているので、興味のある方はご覧になるとよいだろう。