JFEエンジニアリングは8月4日、タワー集光型太陽光発電技術の開発に成功したことを発表した。実証実験では、従来の太陽光発電システムと比べ、発電端効率は2倍以上で、セルの単位面積当りでは約1,400倍の発電量を得ることができた。

タワー式集光設備とヘリオスタット(JFEエンジニアリング)

同社が開発したタワー集光型太陽光発電は、ヘリオスタット(太陽追尾式ミラー)を用いて、太陽光を高さ20メートルのタワー上部に設置したレシーバー(二次集光機能付き多接合型太陽電池セル)に集光し、直接発電するもの。

タワー集光型太陽光発電システムの仕組み

30基のヘリオスタットで行った実証試験では、集光倍率700倍、太陽電池モジュール1基で、最大26&の発電端効率を実現した。

レシーバーに集光すると太陽電池セルの温度が高温になるため、耐熱温度以下に抑える必要がある。同社は製鉄で培った高炉炉体冷却技術を応用して独自の技術を確立し、使用した冷却水を温水として熱回収することを可能にしている。冷却水は循環使用するため、当設備は水の少ない地域でも設置可能。

同社は今後、ヘリオスタットや太陽電池モジュールを増強し、1,000倍の集光、および発電量拡大に向けた実証試験を継続していくほか、2012年度には数MW規模までスケールアップした実証試験を行い、2013年度中の商用化を目指す。