スイスのITベンダー Kaseyaは8月4日、都内で記者会見を行い、クライアント向けIT運用自動化分野で日本市場に本格参入すると発表した。
同社は6月20日に日本法人 Kaseya Japan(オフィスは東京都品川区)を設立。今後は「クライアントPCの統合管理に必要とされる機能をすべて網羅したソリューション」(同社)である基幹製品「Kaseya」を軸に、日本市場でビジネスを展開する。
「Kaseya」が備える主な機能は「資産管理」「PCの遠隔操作/サポート」「モニタリング」「パッチマネジメント」「ソフトウェア自動インストール」「バックアップ/復元」「データ遠隔消去」「アンチウイルス/アンチマルウェア」「ヘルプデスク」など。「これさえ導入しておけば新たな法規制などにいつでも対応できる」(同社)ことが特徴であり、クライアントのプラットフォームとしては、WindowsのほかにMac OS、Linux、スマートフォン(9月対応予定)に対応する。
「Kaseya」には、すでに出荷開始済みとなっているオンプレミス版(主としてパートナー企業向け)に加え、SaaS版のソリューションが用意されている。
SaaS版の"基本セット"として提供される機能はライセンス数によって異なるが、「月額利用料は150~500円程度になる予定」(同社)だという。
このSaaS版「Kaseya」は8月1日からデモ版の無償提供が開始されており、「1ヵ月程度のトライアルを経て正式リリースを行う予定」(同社)とされている。
同社の日本市場での売上目標は「5年間で50億円(現在の米国市場での売上規模)」とされており、今後は小売店や教育機関、病院を主なターゲットとして拡販を図る。
なお、日本市場への本格参入に際して同社 エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 北東アジア担当ゼネラルマネージャー ジョン・ファーギス氏は、「この分野(クライアントPC向け)では主たる競合製品が存在しない市場」という認識を示し、今後の展開に自信を見せている。